ストラテジーレポートでも述べたように、相場サイクルからも上昇トレンドは一服し、しばらく調整局面入りと思われる。決算発表が終わりファンダメンタルズ面での新たな材料がないなか、当面は米朝首脳会談の行方などを見守る展開だろう。

日経平均は3月安値から2万3000円台をつけた戻り高値までの上げ幅に対してフィボナッチ比率の23.6%押し。他のテクニカル指標の過熱感もなく、下げはここで止まると思われる。2万2000円台中盤から後半でのもみ合いで推移しよう。

経済指標としては30日に米国のGDP改定値とベージュブック、31日には4月PCEデフレータ、6月1日は5月の雇用統計が発表される。PCEや雇用統計での平均時給などインフレ指標に注目が集まる。1日には5月のISM製造業景況指数も発表される。最近の統計を見ると製造業の景況感はかなり改善しておりISMも持ち直しが期待される。製造業の景況感という意味では、31日に発表される中国の政府版製造業PMI、1日の財新版製造業PMIにも注目したい。

中国のPMIが注目されるのは同じタイミングでMSCIの新興国株指数に中国A株(本土の上場株式)が組み入れられるからだ(6月1日から)。それなりの需要が発生するため、週末にかけて中国株相場は堅調となるだろう。中国株の安定は日本株にとっても支援材料である。

MSCIと言えば、5月末(=31日)終値でMSCI指数の銘柄入れ替えが実施される。日本株では小林製薬、東京センチュリー、サイバーエージェント、SGホールディングスの4銘柄が新規採用となり九州フィナンシャルグループ、八十二銀行、ミクシィの3銘柄が除外される。

5月31日にはマザーズにネット注文の印刷通販会社、ラクスルのIPOがある。外部環境が不透明で主力株が手掛けにくい状況だけに、再度、新興市場に目が向くきっかけになるかもしれない。

今週の予想レンジは2万2400円~2万2900円とする。