モトリーフール米国本社 – 2026年4月19日 投稿記事より
サンディスク、ナスダック100採用 株価評価に分かれる見方
メモリー半導体メーカーのサンディスク[SNDK]は2026年4月20日にナスダック100指数の構成銘柄に採用されました。同社は2025年初頭にストレージ装置メーカーであるウェスタン・デジタル[WDC]からスピンオフされ、株価はデータセンター向けストレージ製品の旺盛な需要に支えられ、過去1年間で2,700%強上昇しました。
ウォール街では株価は割高との見方が一般的です。サンディスクを担当する25人のアナリストによる目標株価の中央値は843ドルと、本稿執筆時点の921ドルからは約8%の下落余地があることを示唆しています。
一方で、一部のアナリストはさらなる上昇余地があると考えています。2026年4月には投資銀行エバーコアのアミット・ダリヤナニ氏が、株価が2,600ドルに達するという「強気シナリオ」を提示しました。これは、現在の株価から182%の上昇余地があることを意味します。
ナスダック100に採用された銘柄は好パフォーマンスの傾向、ただし例外も
ナスダック100は、金融を除くナスダック上場企業のうち、時価総額で上位100社のパフォーマンスを追随する指数です。金融が除外されているのは、特に情報技術セクターを中心とした成長分野のセクターに絞っているためです。
ナスダック100は四半期ごとに各銘柄の構成比率が見直され、アウトパフォームしている銘柄の比重が高くなるように調整されます。また、毎年12月には構成銘柄の見直しが行われ、上位100銘柄という基準から外れた低パフォーマンス企業は除外されます。
ただし、年の途中でも、何らかの理由で基準を満たさなくなった銘柄は入れ替えられることがあります。今回、コラボレーションソフトウェアのアトラシアン[TEAM]が2ヶ月連続で必要最低ウェイトを下回ったため、その代替としてサンディスクが選ばれました。
過去10年間でナスダック100に87銘柄が新規に採用され、その後12ヶ月のリターンは平均18%でした。指数に採用されると、ナスダック100に連動するファンドはその株式を買い入れる必要があるため、一般的に株価は上昇しやすくなります。
とはいえ、これに当てはまらないケースもあります。具体的には過去10年間で、株価がナスダック100採用後の1年間で50%を超えて下落した銘柄として、クラウド監視ソフトウェア大手のデータドッグ[DDOG]、太陽光発電機器のエンフェーズ・エナジー[ENPH]、電気自動車(EV)のルシード・グループ[LCID]、エクササイズ機器メーカーのペロトン・インタラクティブ[PTON]、ビットコインを大量に保有するAI分析ソフトウェアのストラテジー[MSTR]、ネットワークセキュリティー企業のゼットスケーラー[ZS]が挙げられます。
サンディスクの株価が今後どう動くかは、決算内容と投資家心理左右されるでしょう。
メモリー半導体不足を背景に、サンディスクは急成長中
サンディスクは、NANDフラッシュメモリーをベースとするデータストレージ装置を開発しており、企業向けSSDも手がけています。ストレージではハード・ディスク・ドライブ(HDD)は低価格ですが、SSDは高速で、省電力かつ耐久性にも優れているため、AIモデルの学習に使う大規模データセットの保存や、グラフィック処理装置(GPU)メモリーに読み込まれるまでAIモデル自体を保存しておく用途に適しています。
サンディスクは、NANDフラッシュメモリーの最大手ではありません。現在は半導体大手のマイクロン・テクノロジー[MU]と並んで4番手に位置しています。それでも、IT調査会社カウンターポイント・リサーチのデータによれば、過去1年間にサンディスクが市場シェアを2ポイント伸ばした一方で、業界トップのサムスンはシェアを落とし、マイクロンは横ばいでした。
AIデータセンターは、従来のデータセンターに比べ、はるかに大量のNANDフラッシュストレージを必要とします。現在は需要がかつてないほどの規模で供給を上回り、その結果として価格は大幅に上昇しています。エバーコアのダリヤナニ氏は、供給不足が少なくとも2028年まで、あるいはそれ以上続く可能性があると見ています。一方で、メーカー各社は生産能力の増強を急いでいます。
急成長しているが、メモリー市況の転換リスク
サンディスクは現在、驚異的なペースで成長中です。2026年の1月に発表した四半期決算では、売上高が前年比61%増の30億ドル、非米国会計基準ベースの調整後1株当たり利益(EPS)は404%増の6.20ドルに急増しました。ただし、メモリー半導体は典型的な循環型業種であり、足元の供給不足はやがて供給過剰へと転じる可能性があります。その局面ではNAND価格は大きく下落することが予想されます。
ウォール街は、サンディスクの利益が2029年度(決算期は6月)まで年率73%で成長すると予想しており、これを踏まえると、現在の125倍という株価収益率(PER)も一見すると妥当であるように見えます。しかし、メモリー半導体市場がピークに達したことが明らかになれば、サンディスクのPERが今よりは低下するでしょう。問題はPERがどの水準に落ち着くかという点です。
しかし、誰もこの疑問には答えられず、足元の供給不足がいつまで続くのかについても正確には分かりません。そのため、サンディスクへの投資はリスクを伴います。また、過去1年間に株価が2,700%も急騰したことを考えると、しばらくは静観という判断も十分にあり得ると思われます。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Trevor Jennewineはゼットスケーラーの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はアトラシアン、データドッグ、エバーコア、マイクロン・テクノロジー、ペロトン・インタラクティブ、ウェスタン・デジタル、ゼットスケーラーの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、エンフェーズ・エナジーを推奨しています。モトリーフール米国本社は、情報開示方針を定めています。
