名実ともに下半期入りとなる今週は、米国の経済指標並びに株式市場の強さに牽引されて堅調な展開を予想する。先週発表された米国の8月の耐久財受注は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比0.9%増と、市場予想の0.3%増を上回った。ハリケーンの影響にもかかわらず、米経済が基調的に底堅いことが示された。今週は月初に当たり重要経済指標の発表が目白押し。良好な指標が追い風となって、米国株の史上最高値更新が続くだろう。

特に注目は2日に発表される9月のISM製造業景況指数。8月は58.8と上昇し、2011年4月以来の高水準を記録した。フィラデルフィア連銀の製造業景況指数やシカゴPMIなど先行指標が軒並みポジティブ・サプライズとなっていることから製造業の景況感は改善しており、ISMもハリケーンの影響が軽微となる公算が高い。強い数字が出れば米金利上昇、ドル高円安となって日本株にも追い風となる。

日本では2日に日銀短観が発表される。大企業・製造業の業況判断DIは小幅改善が見込まれている。予想通りに改善すれば4四半期連続の改善となり、市場のセンチメントを明るくしよう。

こうした良好なファンダメンタルズを背景に今週の日本株相場は堅調だろう。日経平均は節目の20,500円を試す場面もあると思われる。但し、週後半には様子見ムードが強まりそうだ。金曜日は米国の雇用統計の発表を控え、週末は体育の日で3連休となる。連休明け10日は北朝鮮の朝鮮労働党の創立記念日であり軍事挑発行動が警戒される。

3連休を控えた週末金曜日は、当然のように手仕舞いやポジション整理が目立つと思いきや、意外とそうならなかったケースも多い。しかし今回はさすがに売買が手控えられそうだ。10日は衆院選の公示日である。小池氏が代表をつとめる新党を巡り、政界はドタバタ劇を演じているが、公示日直前の3連休中にどんな動きがあるかわからない。相場にとってのベストシナリオは与党勝利でアベノミクスの継続であることは間違いない。そのメインシナリオが怪しくなるようだと株式市場の堅調さも失われる。株価が高値圏にあるだけに3連休前に利益確定売りも出やすい状況だ。

ただ、海外投資家の買いが戻ってきているのが明るい材料だ。現物株の売り越しは9週連続だが、額は611億円と前週の4172億円から縮小した。先物は既に9月第2週に1兆2千億円強の買い越しに転じ、第3週も約9千億円の買い越しが続いた。9月末の配当に係る税金を巡って本国と日本のポジションの入れ替えという話もあるが、3月にはここまで大きな先物買い越しは見られなかった。海外勢が先物をこれほど大きく買い越したのは2014年11月第1週以来。前回の衆院選の約1か月前だ。衆院選とのタイミングも買い越し額も、符合しており、興味深い。

今週のレンジは20,100円~20,550円としたい。