さて、火曜日から書き続けているお盆特集、今日は最終回です。昨日説明した方法で金融資産の投資対象の配分マトリクスを決めます。その上で、現在自分が持っている金融資産を、マトリクスのどのマス目に当て嵌まるかを考え、各マス目に入れていきます。そうすると、当然、ビューに基づいて計算された各マス目の比率と、実際の自分の保有資産の各マス目の比率は、かなり差があって、凸凹が出来る筈です。そこではみ出している部分を削って、即ち売却して、足りない部分を埋める、即ち購入するのです。これでようやく基礎ポートフォリオの完成です。

このマトリクスは、例えば年末年始とお盆に、メンテナンスをします。ビューが変わっていなくても、或るマス目のパフォーマンスがいいとそこが比率で出っ張ることになるので、利食いをします。或いはビュー自体が変わって、それによってマス目の比率が変わり、凸凹調整が必要になるかも知れません。これがポートフォリオのリバランスです。この手のことを紙でも表計算ソフトでも整理するのは、かなり時間が掛かりますが、とても勉強になることも多く、楽しいものです。

そして最後に!日中時間があるからこそ出来ること。それは損切りの練習です。何かETFなりを少額買ってみる。その際に予め損切りラインと利食いラインを決めておきます。練習なので、幅は狭めの方が良く、例えば3%で損切り、10%で利食い、などとしておきます。そして、実際にもし損切りラインまで値が下がったら、アッサリと損切りをする。少額でやるのがミソです。幅をもっと狭くしてもいいかも知れません。もちろん利食いも、利食いラインまで到達したらアッサリ利食う。

マーケットが閉まっている時に自分のポジションを見ると、色々と云い訳や新しいルールを作りたくなって、中々損切りや利食いのオーダーを次の日の朝に向けて入れることが出来ません。特に損切りのオーダーは中々入れられないものです。なので少額で、日中、レベルに達したらアッサリとやってしまう。損切りをすることへの心理的躊躇を取り除くことが、トレーディングや投資をしていく上では肝要です。もちろん、いわゆるペーパートレーディングで、実際のポジションを持たずに空想のポジションを対象にマーケットを見て、損切りや利食いの練習をすることも理論的には可能ですが、心理的壁を取り除くにはちょっと弱いかも知れません。

いずれにしても、日中自由になる時間というのはとても貴重です。有意義なお盆をお迎え下さい!