日銀のマイナス金利政策のおかげで、世界の株式市場は取り敢えず安定しました。そんな状況ですからこの政策実施について、「黒田総裁は国会でやらないと云ってたのに」という恨み節も、「円安誘導ではないか」という国際的な批判も聞かれません。その意味において、絶妙のタイミングでしたとも云えるでしょう。
香港ドルがリペグされる、即ち米ドルに対して切り下げられるのではないかという懸念はくすぶってますし、ダボス会議に於いては、人民元が切り下げられるのではないかとの声が多く、ソロス氏に至っては人民元安に向けて賭けているなどとも発言し、中国当局はその火消しに躍起ですが、いずれ人民元が切り下げられる可能性は十分に高いでしょう。そんな状況下で、円を本格的なマイナス金利にする準備をさっさとやってしまったのは、大きな意味があります。もし人民元が切り下げられれば、日銀は既に積まれている当座預金の金利もマイナスにすると次の政策を打てば、かなり円高化を防衛できるでしょう。一部の業界よりも国全体の利益が大切です。
今目の前では、一旦ボラティリティが下がってますが、今年はやはりマーケットから目が離せません。特に各国の政策金利と為替の動きは要注意ですね!