金融緩和の手段として、日銀が遂にマイナス金利を導入するとのこと。既にある当座預金は対象ではなく、新たに積み増す部分のみが対象であるので、中途半端ではないか等の声もあったようですが、いざとなれば本格的なマイナス金利の導入を出来るようにするための準備段階だとも考えられ、これは大きなステップです。

しかしマイナス金利は、必ずしも新しい概念ではありません。既に導入している国も比較的多くありますし、私も20年以上前、某米系投資銀行でトレーダーをしている時に、マイナス0.5%の円金利フロア、即ち日本の短期金利についてマイナス0.5%を行使価格(金利)とするオプション(金利がマイナス0.5%より更に下回った場合にその分のお金をもらえる権利)のシリーズをトレードしたことがあります。少なくとも当時は、マイナス金利のオプションの取引は史上初めてだったと思うのですが、それももう四半世紀ほど昔の話です。

マイナス金利は、あまり驚くことではありません。なべて世の中のことは、大概昔からあることです。ギリシャ神話もシェークスピアも最近のテレビドラマも、テーマは大体同じです。春夏秋冬が遙か彼方の古からあり、ずっと循環してきたように、景気も循環する筈なのですが、世界の金利が正常化して行くには、まだまだ時間が掛かるかも知れませんね。金融緩和すれば株価は上がる。いずれにしろ株式市場にとっては、朗報であると考えるべきでしょう。