私はトレーダーでしたから、リスクを取るのが仕事でした。今でもトレーディングが、することは出来ないけれども大好きです。いつかまたバリバリのトレーダー、今度はそれを業とするプロではなく、個人トレーダーになるのが夢です。

リスクには小さいリスクと大きいリスクがあります。当然大きいリスクの方が緊張します。手に汗握ります。いわゆる胆力が必要になります。しかしリスクの大きさには直に慣れますし、大きいリスクの管理の仕方というのも身に付くものです。

リスクには見えるリスクと見えないリスクがあります。当たり前ですが、見えるリスクは対処しようがあり、見えないリスクは対処できない場合が多いです。値段の付く上場株式や流動性のある国債などを扱うのは見えるリスクを扱うことになりますが、それでも週末などはマーケットが開いていないので、これではリスクが見えないのも同然です。私は見えないリスクは嫌いで、プロのトレーダーの頃は週末が嫌いでした。どんなに荒れ狂うマーケットでも、眼前でそれが展開している間は、私は比較的平静を保っていられました。

リスクには線形的なリスク、即ち段階的に変化・展開していくリスクと、非線形でユニークなリスク、即ち非連続に突然発生し、かつその展開の仕方・規模が予め読みにくいリスクがあります。一般に非線形のリスクはその発生確率は低いものです。私はこの非線形リスク、ユニークなリスクというものが大嫌いです。

世の中には様々なリスクが存在します。投資の世界では、リスクがあればリターンがあります。このリスク・リターンのセット、選択肢は、もちろん無数にあります。もちろんオプションを買い持ちにするような、コストは掛かるがアップサイドだけのものであれば、非線形でも持つのは構いませんが、それ以外おおかたは、線形的な、連続的な、その状態が徐々に変化していくことが見えるセットを中心に集めていきたいと思います。