流言飛語とは聞き慣れない言葉です。以下、昨日付の総務省発表。「総務省は、本日、電気通信事業者関係団体に対し、東日本大震災に係るインターネット上の流言飛語について、各団体所属の電気通信事業者等が表現の自由に配慮しつつ適切に対応するよう、周知及び必要な措置を講じることを要請しました。」具体的には、「・・・国民の不安をいたずらにあおる流言飛語(中略)について関係省庁が連携し、サイト管理者等に対して、法令や公序良俗に反する情報の自主的な削除を(中略)要請し・・・」とあります。
分からないでもありません。しかし不安も覚えます。基本的な情報に対する考え方にも様々な論点がありうると思います。しかし今日は敢えてそのポイントではなく、「要請」と云う点について考えたいと思います。
要請とは、命令ではありません。今回の一連の政府の行動の中には、命令ではなく要請であるものが多くあります。この場合、要請に従わなかった場合、何が起こるのでしょうか。或いは自主的な行動の要請に応えたかどうかは、誰が何に基づいて判断するのでしょうか。グレイだからいいことも世の中には多くあります。しかし国権と民間の関係は、きちんと予めルールをクリアにすることがどれだけ重要であるかを、私たちは歴史の中で何度も何度も学んできたのではないでしょうか。
政府・総務省が、正しい動機から要請を出したことを私は信じて疑いません。それはそれとして、もう少し慎重に考えた方がいい部分があるのではないでしょうか。