昨日から天津に来ています。いわゆるサマー・ダボス会議なるものに参加するためですが、私はこの手の国際会議に参加するのは随分の回数になっていて、世界中から集まる知り合いもそれなりの数がいるので、緊張することもありますが、まぁ楽しく過ごしています。世界の流れに取り残されないために、やはりこういった機会は大切だと思います。

ダボス会議には各国の王室からも参加者が来ます。ヨーロッパや中東の王室のある国からです。キングやクイーンの場合もありますが、大抵はプリンスかプリンセスです。スピーチをしに来る人もいますが、一般の参加者に混じって普通にディスカッションしたりもします。今日はこんなことがありました。会社(東京)との会議をするために、ちょっと早めに会場を出て、携帯電話で東京と話しながら宿泊しているホテルへのシャトルバスを待っていると中々来ません。私を含めて4人が待っていたのですが、バスが来る様子がないので会場係の人が気を利かしてくれて、普通の車を一台回してくれました。そして4人相乗りでホテルに向かうことになったのです。私が電話中だったこともあり、男性一人が前の座席に、もう一人の男性が後の左側の座席に、そして女性が後部座席の真ん中に座り、私は最後に(電話をしながら)後の右側の席に座りこみました。

しかし、真ん中に座らせてしまった女性のネームバッジに「HRH」と書いてあった気がしたので、これはイカンと思い電話を切り、今更ながら挨拶をすると、果たして欧州某国のプリンセスでした。そしてホテルに着くまでの間、ずっと気さくに色々なことを話したのでした。プリンセスはその間、後部座席で大人3人がひしめき合って座る中、真ん中の一番座り心地の悪いところで、シートベルトしながら、楽しく、穏やかに、普通に振る舞っているのでした。もちろんお付きもいなく。

国が変わると色々なことが変わります。しかし恐らく、自国においては流石に全然違う扱いではあるのでしょう。しかし国際会議ではみんなと同じようにする。世の中何がノーマルで何がアブノーマルかは中々云いきれないものですが、色々と考えさせられるものがあります。