今、大連で国際会議に参加しています。中国への進出をグループの重要な長期成長戦略の一つと据えている当社にとって、中国でビジネスをしようとする企業、ビジネスや資本を誘い込もうとする中国政府、中国を取り巻く環境がどう変化していくかを研究している学者、その他とにかく中国に大きな興味と、或る意味での欲を持った大勢の人々が集まる国際会議は、あらゆる情報とヒント、人脈に溢れた場です。

私は私なりに大いに活用しているのですが、何よりも興味深いのは、中国政府の変化です。中国で開かれる会議に参加するようになったのは4-5年前からです。ビジネスマンは或る意味で変化しません。世界中のビジネスマンが常に変化しているように、彼らも変化しているだけです。ですから相対的には変化はありません。行政は別です。色々なレベルの官僚の話を、これはトップ官僚(=首相)まで含めて、定点観測的にこの数年間聞いてきました。彼らの云うこと、云い方、質問等に対する対応の仕方が、明らかに変化してきているのです。

継続的に観察しているから分かる変化と、継続的に見ているので気が付かない変化があると思います。後者は即ち、一回一回の変化幅が小さいと、全体では大きく変化していても気が付かない場合がある訳です。毎日自分の顔を鏡で見ていると、歳を取るのに気が付かないようなものです。しかし前者の、継続的に見ているからこそ気が付く変化も、とても重要だと思います。

質問を受け付けない→決められた質問しか受け付けない→何を聞かれても答えは変わらない(用意された答えしか云わない)→オープンに質問を受け、用意されていない答えをする。そんな変化が起きています。今の中国は、その変化を的確に観察・分析することが肝要だと思います。