東京ではソメイヨシノが満開です。未だ殆ど散り始めていないのではないでしょうか。入学式のシーズンに、これほどちゃんと桜が咲いているのは、本当に久し振りだと思います。今日は暖かいし、週末を超えて花見の人出も減ったので、夜桜見物には最高の夜でしょう。
この状況を見て思うことは、「地球温暖化は本当に進行しているのか」と云うことです。本当なんだとは思います。しかしちょっとでも開花が早いと「温暖化!温暖化!」とはやし立てるマスコミが、遅くまで桜が散らずにいても、温暖化に関連する解説を一切云いません。
私は昔債券トレーダーだったので裏読みをしがちな為、このマスコミの姿勢が、温暖化問題自体に疑問を抱くことになってしまいます。しかしこんなことを思うのも、話の対象が桜だからです。
「世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」
業平の時代から、季節は何ひとつ変わらず巡っているように私には思えます。今宵、何処かの道端で桜を見上げて、ほんの一時でいいので、永遠に巡ることに思いを馳せたいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。