あれは中学3年生になる春休み。あの時の空気というか雰囲気は、今でも鮮明に憶えています。お昼過ぎから友達と一緒に後楽園に行き、開場まで何度も何度も球場の周りをぐるぐる回りました。ダフ屋さんがいたり、はっぴを着て盛り上がっているグループがいたり。しかし異常に騒々しい感じではなく、どちらかと云うとのどかな雰囲気だったと思います。球場の中から、リハーサルのPAの音が聞こえていました。
開場と共に中に入り、2時間ほど待ってからコンサートが始まる。かなりの数の曲を歌ってくれて、もちろん球場(因みに当時は未だドームではありません)は興奮に包まれた訳ですが、狂気とも悲哀とも違う、(こんなことを云ったら笑われるかも知れませんが)お互いの感謝に溢れた、暖かな雰囲気に満ちていた記憶があります。
最後の歌を歌い終わり、初めてだったでしょうか彼女たちが泣き(突然の解散宣言をした時は除く)、そしてステージから消えていきました。そのあと、三羽の鳥(鳩でしょうか)が飛び立っていく仕掛け花火が燃え、そして線香花火のように、名残惜しそうに、最後は消えていきました。流れる演奏と止まない声援。中学3年生と云う未だ子供と青年の狭間にあった私には、忘れられない、鮮烈な思い出です。
その解散コンサートのフィルム・コンサートが、今晩開かれます。場所も一緒(ドームではなく、東京ドームシティ内のホールですが)、開場時間、開演時間も一緒。もちろん行きます!-仕事を終えてから。あの頃自分が見ていたもの、憧れ、もしくは共鳴していたものが何だったのか。そんなことを見つけられるかなぁと、思います。
いずれにしろ、きっと暖かさに満ちた、素敵な時間になることでしょう。