コード番号5401、新日鐵の株価が16年半ぶりに600円台を回復しました(引け値は598円)。新日鐵は、私にとっては思い出深い銘柄です。私は元々債券トレーダーで、様々な債券、先物、金利スワップ、為替などは嫌と云うほどトレーディングをしていました。しかしこと株に関しては、債券と株のリターンの差に対するオプションと云うやたら複雑な商品を開発した際に、オプションや先物を取引したことがあるだけでした。また仕事だけでなく、個人的にも、株は一切触れた経験がありませんでした。

株式投資は一切したことがなかったのですが、これからは我が国に於いても株式が重要になって来て、多くの株式投資未経験者が株取引をするようになる、そして自分もその一人だと考え、一切経験ないまま、当社を同じような仲間と共に創業したのです。大勢の潜在的お客様と同じ立場にある人間がサービスを構築した方が、却って分かり易いじゃないか、と云う考えもありました。
そして99年の4月に会社を創り、株式売買委託手数料が完全自由化された同年10月1日に開業、即ちお客様向けのサービスを開始しました。そしてその朝、開業の取材に来たテレビ・カメラの前で、私は当社に開いた自分の口座で、当社のサービスを実演することになりました。「こうやって、こうやって、では実際に株式を買ってみましょう!」

−ここまで来て、私は何を買っていいのか皆目見当が付きませんでした。そこで隣に居た株式市場に詳しいT社員に、「何買ったらいいの?」と聞くと、急な質問に困った彼は、「”鉄”を買っとけば無難じゃないですか?」「”鉄”って?」「新日鐵ですよ!5401」とやりとりをし、私は新日鐵を買いました。そうです、新日鐵は生まれて初めての株だったのです。

そしてその日の引け値が299円でした。今日の引け値はちょうどその2倍です。長かったような、短かったような。そんな7年間をちょっと振り返させる、どこか懐かしいニュースでした。