私はマッサージの類が好きです。出張先でも、ひょいと数十分マッサージを受けたりもします。東京においては、所謂普通のマッサージから、指圧、足裏、アロマテラピー、少々変わったところでは塩もみなど、色々試してみます。疲れた時に代謝を良くしたり、背中などのコリを取るのが主な目的ですが、それとは別に、特定の目的を持って、整体を受けることもあります。代謝が悪い状態を超えて、体がよじれてきてしまったり、胃腸の活動が大きく落ち込んでしまったりした時は、整体によって治療してもらいます。かつては”やらず”嫌いで、整体・カイロプラクティックは怪しげで怖いものだと思っていたのですが、今ではいざという時にはその(掛かりつけの)先生に治してもらうことにしています。その先生がよく云うのが「バランス」です。物理的構造物である骨格のバランス、内臓と体のバランス、ホルモンのバランス。バランスを取るのが、先生の仕事だと云います。確かにバランスとは非常に大切な概念で、人間関係、組織のあり方、ビジネス、更には社会に至るまで、バランスを取ること、何処に全体の重心があるかを見極めることは、それぞれに於いて良い結果を出す為に、この上なく重要なことに思えます。このような考え方は、アリストテレスの哲学に於ける中庸の概念と同一でしょうか。中庸と云うと、どこか”当たり障りのない”というイメージを私は持っていましたが、本来の意味は違うのかも知れません。今度勉強してみようと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
-
ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。