今朝の朝日新聞によると、4大メガバンクは今秋からの決済性預金の導入を決定したそうです。決済性預金とは、金利がゼロである代わりに、ペイオフの対象外となり全面保護される預金です。一方で「ペイオフ全面解禁は乗り越えなければならない最後のハードルであり、予定通り来年4月に実施すべきだ」との銀行界の表明も昨日なされたようです。
私の日本語解釈力では、この2つのことを同時に消化することが出来ません。決済性預金については、以前にも何度かつぶやきで書いておりますが(2002年7月31日、8月1日、9日)、看過し易いテーマなので、注意深く考える必要があると思います。
ペイオフの恐れがない銀行預金に大量のお金が流れ込み、その運用先(貸出先など)が将来また不良債権化したらどうするのでしょうか。その場合にはまた公的資金が使われることになるのでしょうか。決済性預金の問題点の本質、延いては不良債権問題の本質は、その『運用先』です。税金によって保護される形で集められたお金の運用先は、国債などの安全性の高いものに限る(決済性預金のモデルとなっていると思われるアメリカの「ナロー・バンク」の議論では、正にそのような思想に帰着しています)、或いはせめてその運用先を納税者に対して開示すべきではないでしょうか。
最近景気も株価も好調なので、このような後ろ向きとも取られかねない議論は自重気味ですが、それは我が国の悪い癖なので、きちんと直していくべきだと思います。
追伸:本日、2004年3月期の決算発表を行ないました。
詳細は当社HPを御覧頂きたいのですが、これからも個人投資家のお客様に最良のサービスを提供することにより、株主の皆様に最大のリターンを実現すべく精進して参りますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。