金曜日に<春が来た>とつぶやいて、今日<春爛漫>ではちょっとせっかちな気もしますが、株式市場はどんどん春が来ているという感じです。東証1部の時価総額は、2001年8月15日以来初めて330兆円を超え、日経平均がバブル後最安値を付けた去年の4月28日(224兆円)もしくはTOPIXが最安値を付けた3月11日(221兆円)に比べて100兆円以上増え、実に約1.5倍になっています。業種別騰落率も、金融、建設、不動産、倉庫運輸などが上位を占め、まさにバブルシフトといった様相です。我が国には悪い癖があり、株価が上がると急に何もかも反省なくなってしまい、改革などの努力をやめてしまうことがあります。今回は抵抗勢力などが党内、党外、一部マスコミなどにもいるので、却っていい牽制が持続するでしょうか?最近の事件ニュースを聞いていると、色々な所でモラルの低下を感じることもあるので、しっかりと国民が、政治に限らず企業についても監視していくことも大切です。しかし一方で波に乗ることも重要です。微妙なバランスを維持しながら、成長を持続したいものですね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。