【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 51,176.96 △250.40 (10/2)
NASDAQ: 27,190.86 △319.27 (10/2)
1.概況
2日の米国市場では、ダウ平均とS&P500種株価指数、ナスダック総合株価指数がそろって続伸しました。主要7カ国(G7)による石油備蓄の放出決定を受けて、原油安が進行するなか投資家心理が上向きました。また、米国で発表された9月の雇用統計では非農業部門雇用者数の前月からの増加幅が市場予想を下回るなど、緩やかなペースでの雇用回復を示す結果となりました。金融市場における早期の追加利上げ観測が後退し、主要株価指数は上昇しました。
ダウ平均は51,241ドルで寄り付いた後、取引序盤にこの日の高値となる51,382ドルを付けました。その後は上げ幅を削られる場面もみられたものの、51,000ドル割れの水準で切り返し、引けにかけてじり高となりました。結局、ダウ平均は250ドル高の51,176ドルで取引を終えました。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は319ポイント高の27,190ポイント、S&P500種株価指数は56ポイント高の7,722ポイントといずれも上昇しました。
2.経済指標等
9月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年比3.8%上昇と市場予想(同3.5%上昇)を上回り、2023年9月以来の高い伸びとなりました。エネルギー・食料品・アルコール・タバコを除くコアCPIは同2.5%上昇と市場予想(同2.6%上昇)をやや下回ったものの、前月(同2.4%上昇)から伸びが高まりました。
9月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比2万9000人増と市場予想(同9万5000人増)を下回る増加幅にとどまり、下方修正された前月分の同13万3000人増(速報値:同16万2000人増)を大幅に下回りました。また、失業率は4.2%と前月(4.1%)から悪化したほか、平均時給は前年比3.0%増と市場予想(同3.2%増)や前月(同3.1%増)を下回る伸びにとどまりました。
3.業種別動向
2日の米国市場でS&P500の業種別株価指数は11業種中10業種が上昇、下落したのは1業種のみとなりました。上昇した業種は、一般消費財・サービスが1.4%高、情報技術は1.1%高と続きました。一方、ヘルスケアは0.04%安と小幅に下落しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では18銘柄が上昇しました。シスコシステムズ[CSCO]が3.2%高と構成銘柄における上昇率トップ、続いてキャタピラー[CAT]が2.3高、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]は1.8%高となりました。一方、11銘柄が下落し、ナイキ[NKE]が3.6%安となりました。1日に公表した四半期決算で市場予想を下回る売上高を明らかにしたことが悪材料視されました。その他では、アイビーエム[IBM]は1.3%安、アムジェン[AMGN]が1.0%安となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ[HPE]が7.4%高となりました。同社が9月30日にネットワーク事業セグメントの売上高成長見通しを引き上げたことを材料視する向きがありました。また、オン・セミコンダクタ―・コーポレーション[ON]は6.0%高となりました。スマートデバイス向けの半導体を手掛けるシナプティクス[SYNA]の買収に関する金額が従前の約70億ドルから約57億ドルに引き下げられたと伝わり、市場では好感されました。一方、ウェスタン・デジタル[WDC]は10.2%安、シーゲイト・テクノロジー・ホールディングス[STX]が10.2%安となりました。東芝が2027年度中に人工知能(AI)データセンター向けのハードディスクドライブ(HDD)について生産能力を倍増すると報じられ、主要な競合である両者の株価に下押し圧力がかかりました。
5.為替・金利等
長期金利は、前日比0.03%高い5.27%となりました。5日朝のドル円は157円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
弱めの米雇用統計などを背景に10月下旬に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが行われるとの観測は後退しており、株式市場に対する追い風とみられます。日経平均先物の堅調な値動きを踏まえると、週明けの東京市場も買い先行での展開が見込まれます。こうしたなか、目先の日経平均株価は約3ヶ月ぶりとなる7万円の大台をうかがう流れになり得ると考えられます。
今週は10月7日に9月に開催されたFOMCの議事要旨が公表される予定で、今後の利上げペースを巡る思惑から市場は上下に振れる可能性があります。米国債の先行きの変動率を投資家がどの程度見込んでいるかを示すMOVE指数が2日時点で107.29と比較的高い水準で推移しており、債券市場が不安定化しないかにも留意したいところです。
(マネックス証券 シニアアナリスト 齊藤 聡)
