政策金利を1.0%から1.25%へ引き上げ
浅田委員、佐藤委員の2名が反対票を投じる
日本銀行は9月17日・18日の金融政策決定会合で、政策金利を1.0%から1.25%へ引き上げました。25bpの利上げは市場で広く予想されておりましたが、決定は賛成7、反対2でした。
浅田委員は、足元の物価上昇率が2%を下回り、経済も必ずしも強くないとして据え置きを主張しました。佐藤委員も、経済・物価情勢が大きく加速しているわけではないとして反対しました。
金融政策運営に関する声明文は前回7月会合から変わらず、日銀は現在の金融環境がなお緩和的であるとして、今後も経済・物価情勢に応じて政策金利を引き上げる方針を維持しました。
市場では反対2票がハト派的に受け止められたようで、結果公表後に円安圧力が強まりました。浅田・佐藤両委員はいずれも高市政権が指名した委員であり、政権の意向も意識される中、速いペースでの利上げは難しくなるとの見方につながった可能性があります。
追加利上げのシナリオは変わらず
米国では、トランプ米大統領が利下げを求める中でもFOMC(米連邦公開市場委員会)が全会一致で利上げを決めており、日米の政策委員会の対照さが為替市場で意識されたかもしれません。
金利市場では追加利上げシナリオそのものが大きく変わったわけではありません。2年国債利回りや、2年先1年物フォワード金利の動きは限定的でした。むしろ超長期ゾーンでは、利上げ加速が難しければインフレ対応が後手に回るとの警戒もあってか、相対的な上昇圧力がかかりました。
植田総裁「政策の局面が変化した」/市場には円安圧力、超長期の金利上昇圧力
植田総裁は会見で「政策の局面が変化した」と述べました。これまでは基調物価を2%へ押し上げることが政策の狙いでしたが、現在は2%に近づき、今後は2%程度で安定させる局面に入ったというものです。また、「毎回の会合で政策を議論する」とし、連続利上げや25bpを超える利上げの可能性についても物価情勢次第として排除しませんでした。この発言は、3ヶ月ペースでの利上げへの姿勢の変化を説明するとともに、次回以降の会合も「ライブ」であるとの印象を残そうとしたとみられます。
もっとも、円安や超長期金利上昇阻止への動きがみられるか、相応に想定していた市場のハードルはそれ以上に高かったようです。植田総裁は「3ヶ月に1回」など特定の利上げペースは念頭にないとし、急激な利上げによる資産価格の大幅な調整も避ける必要があると述べました。「政策の局面が変化した」との発言に一時円買いで反応したものの、その効果は続かず、会見中に再び157円台まで下落しています。
植田総裁は、従来よりもタカ派的なメッセージを出すことに努めたものの、すでに相応の追加利上げを織り込んでいた市場にとっては十分ではありませんでした。金融政策見通しは大きく変わらず、為替には円安圧力、金利には相対的に超長期の上昇圧力が残りました。円安を抑え、超長期金利上昇にも歯止めをかけるほどの印象を市場に織り込ませるには、より明確な時間軸や政策ペースの提示が必要だったと考えられます。
