前回のつぶやきから随分間が開いてしまいました。申し訳ありません。今日は、世界を取り巻くインフレ再加速と金利高の状況、そしてその中で、日本企業・日本株にとっては大きなチャンスがある、と云う話を書きたいと思います。

世界のインフレが止まりません。一旦落ち着き始めた感じのあった原油価格も、再び上昇しています。イランが支援するイエメンのフーシ派は、紅海沿岸で勢力を拡大し、最近ではバブ・エル・マンデブ海峡の要衝であるペリム島にも進出しました。バブ・エル・マンデブ海峡は、スエズ運河、ホルムズ海峡と並ぶ、中東と世界を結ぶ重要なチョークポイントです。また、異常気象が世界の農産物供給に悪影響を及ぼし、食糧価格の今後の上昇も懸念されています。

こうしたインフレ再加速懸念を背景に、世界中で金利が上がっています。欧州中央銀行であるECBは先週、政策金利を0.25%引き上げました。アメリカのFRBも、今週、政策金利を引き上げるとの見方が急速に強まっています。加えて、AIなどへの巨額な投資が、アメリカを中心とする超大企業に莫大な資金需要を生み、それが社債発行の急増を通じて長期金利を押し上げる一因にもなっています。更にトランプ大統領は、共和党が議会選挙で勝てば、全米の成人に5,000ドルの小切手を国の「配当」として配る、と云い出しています。仮に実現すれば、総額1兆ドルを遥かに超える、約200兆円規模の支出となり得ます。当然、財政への懸念が強まり、アメリカの長期金利の先高感を更に強めます。

金利が高くなると、企業の資金コストが上がり、利益を圧縮します。同時に資本コストも上がり、企業が将来生むキャッシュフローを現在価値に割り引いた額も小さくなりますから、株価を押し下げる方向に働きます。これが今、世界が直面している状況です。

しかし、日本だけは様相が異なるかも知れません。日本企業は、欧米企業に比べて借入が少なく、圧倒的にキャッシュリッチです。内部留保を溜め過ぎたとして、配当や自社株買いを求める圧力が高まり、最近では株主還元も随分増えました。それでも尚、日本企業には多くの資本が残っています。ですから、世界的な金利高の悪影響を相対的に受けにくい。

世界中が、インフレと巨大な投資需要によって資本不足になりつつある中で、日本にはまだ資本が一杯あるのです。

これは、とても大きなアドバンテージです。問題は、この資本をどう使うかです。ただ持っているだけでは意味がありません。配当や自社株買いだけでもありません。この資本を、正しい形で、将来の成長を生む投資に振り向けることが出来れば、日本企業は世界で一人勝ち出来るかも知れません。そして、この「余っている資本を、より良い成長投資へ向かわせること」こそ、今の日本における投資家のエンゲージメントの最も重要な役割のひとつです。

世界的な資本不足の時代だからこそ、日本におけるエンゲージメントの必要性と価値は、更に高まっているのです。日本には、今、大きなチャンスがあります。

まぁ私は常に楽観バイアスがありますが、楽観は意志です。日本頑張れ!