経済産業省宛てにパブリックコメントを出しました。
企業は多種多様で、個性があります。だから企業は本来、自由に経営すればいいと思います。しかし、自ら「上場企業」であることを選択している場合は、一つだけ絶対に忘れてはならないことがあると信じています。それは、上場企業は無数の少数株主の資本によって支えられているという事実です。一人ひとりの投資額は小さいかもしれません。投資期間も、それぞれ違います。しかし、その小さな資本と時間が無数に集まることで、企業は大きな資本を得て、新しい事業に挑戦し、成長することができます。上場企業とは、その仕組みを利用している存在です。
だからこそ、少数株主の利益を守ることは、単なる「配慮」ではありません。上場資本市場を設計する上で、最も大切にしなければならない原則であり、生命線です。
今回の経済産業省の企業買収ルールに関する見直し案を読みました。全体としてはよく整理されています。しかし、私には一つだけ、大きな違和感がありました。それは、この最も根本的な原則が十分に貫かれていないことです。企業買収の制度は、経営の自由や大株主の権利にも十分配慮して設計されるべきです。しかし同時に、市場を信頼して資本を託している無数の少数株主の権利と利益も守る制度であるべきです。この一点を曖昧にしてしまえば、日本の資本市場が長い時間をかけて築いてきた信頼の土台が揺らぎます。そんな思いから、今回、経済産業省にパブリックコメント(※1)を提出しました。全文はカタリスト投資顧問のホームページ(※2)に掲載していますので、良かったら読んでみて下さい。
資本市場は、単に企業がお金を集める場所ではありません。社会全体の資本を、未来を創る企業へと配分するための重要なインフラです。その信頼は、少数株主の利益を守るという原則の上に成り立っています。だからこそ、その原則は決して揺るがせてはならないと考えます。
※1「「企業買収における行動指針」の解釈について(案)」、「「企業買収における行動指針」のポイント(案)」及び「「企業買収における行動指針」Q&A(案)」に対する意見(PDF)
※2カタリスト投資顧問株式会社(外部サイト)