急落は複合的に絡んだ悪材料
先週の東京市場は、わずか2営業日のうちに史上最高値の更新と記録的な急落とを経験するという、きわめて振幅の大きい展開となった。25日にはマイクロン・テクノロジー[MU]の好決算を手掛かりにフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇し、これを受けて日経平均は急反発を演じ、7万2000円台を回復して最高値を更新した。ところが翌26日は一転、韓国のSKハイニックスやサムスン電子の急落が重荷となってAI・半導体関連株が大きく売られ、下げ幅は歴代3位を記録した。
この急落の背景には、悪材料が複合的に絡み合う。メモリー価格上昇を背景としたアップル[AAPL]の製品値上げと同社株の大幅安、「マグニフィセント7」への売り圧力に加え、出資先オープンAIのIPO延期検討が報じられたソフトバンクグループ(9984)の急落、キオクシアホールディングス(285A)の10万円割れなどがセンチメントを一段と悪化させた。
業績相場の地合い自体は崩れていない
今週からは2026年後半相場入りである。最大の材料は7月1日の日銀短観。業況判断DIに中東情勢悪化や円高の影響がどの程度反映されるか要注目だ。海外では2日の米6月雇用統計が大きなイベント。4日の独立記念日の振り替えで3日の米国市場が休場となるため、週後半は薄商いとなりやすく、指数の振れが大きくなりやすい点には留意したい。
今回の急落の意味だが、これは強気相場の終焉ではなく、急騰の反動と高値圏特有のボラティリティ拡大だ。AI・半導体企業の業績上方修正が続き、EPS(1株あたり利益)拡大を伴った株高である以上、業績相場の地合い自体は崩れていない。
物色が分散するかどうかを見極める一週間
日経平均はテクニカル的には下値支持線の25日移動平均線に接近しており、まずはリバウンドを試す一方、25日線を明確に割り込めば下落バイアスが強まる可能性が高い。
またバリュエーション面でも近年のPER(株価収益率)レンジの上限に近づいており、そのことが指数の上値追いを当面重くする。値がさ株主導の荒い往来のなかで、出遅れ・割安セクターへ物色が分散するかどうかを見極める一週間としたい。先週26日に日経平均が3,000円を超える歴代3位の下げ幅を記録するなかで、トヨタ自動車(7203)、ソニーグループ(6758)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などの主力大型株が下げずにいたことは明るい兆しと受け止めたい。
予想レンジは6万4000円-7万3000円とする。
