ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]:がん治療薬が23%増収

2026年1-3月期決算

ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]が発表した2026年1-3月期決算は、売上高が前年同期比10%増の240億6200万ドル、純利益が52%減の52億3500万ドルでした。調整後EPS(1株当たり利益)は2.70ドルで、LSEG(ロンドン証券取引所)がまとめた市場予想の2.665ドルを1.3%上回っています。

売上高は着実に伸びたものの、前年同期に訴訟関連の引当金を戻し入れた反動で、純利益は半減しました。訴訟関連引当金の戻し入れなどを除外した非GAAP(米国会計基準)ベースの調整後純利益は、1%減の66億1400万ドルとなります。

セグメント別業績:医薬品部門

事業別では医薬品部門の売上高が11%増の154億2600万ドルに伸び、地域別では米国が10%増、海外が13%増と海外事業の伸びが顕著です。

分野別の売上高はがん治療薬が23%増の69億7300万ドルと好調です。主力の抗がん剤である「ダラザレックス」が22%増の39億6400万ドルと安定し、多発性骨髄腫の治療薬「カービクティ」が62%増の5億9700万ドルと大きく伸びています。

免疫疾患の治療薬は9%減の33億8000万ドルと低調です。特許切れに伴いバイオシミラー(後続品)との競合にさらされた「ステラーラ」が60%減の6億5600万ドルに落ち込んでいます。乾癬治療薬「トレムフィア」が68%増の16億800万ドルに急拡大しましたが、穴埋めできませんでした。

このほかの分野では、精神・神経疾患治療薬は32%増の21億7500万ドル、肺高血圧症治療薬が11%増の11億3500万ドル、感染症治療薬が11%増の8億8900万ドルとそれぞれ伸びています。一方、循環器疾患治療薬は14%減の8億7600万ドルと低調でした。

セグメント別業績:医療機器部門

医療機器部門は売上高が8%増の86億3600万ドルです。治療分野別では心血管疾患が13%増の23億7700万ドル、医療外科が5%増の25億1100万ドル、整形外科が6%増の23億8300万ドル、眼科が7%増の13億6500万ドルと伸びています。

ガイダンス

決算発表時のガイダンスでは、2026年12月通期の売上高を1003億-1013億ドル(前年比6.5-7.5%増)、非GAAPベースの調整後EPSを11.45-11.65ドル(同6.1-8.1%増)と予想しています。一方、2026年1月の決算発表時のガイダンスでは、2026年12月通期の売上高を1000億-1010億ドル、非GAAPベースの調整後EPSを11.43-11.63ドルと予想しており、それぞれ小幅ながら上方修正しています。

【図表1】ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]:業績推移(単位:百万ドル)
出所:LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は12月
【図表2】ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年4月17日時点)

ゴールドマン・サックス[GS]:投資銀行事業がけん引

2026年1-3月期決算

ゴールドマン・サックス[GS]が発表した2026年1-3月期決算は売上高に当たる純営業収益が前年同期比14%増の172億2700万ドル、純利益が18%増の54億300万ドルでした。EPS(1株当たり利益)は17.55ドルで、LSEGがまとめた市場予想の16.49ドルを6.4%上回っています。

純金利収入が23%増の35億5500万ドル、非金利収入が12%増の136億7200万ドルと順調に伸び、2桁増収を確保しました。営業費用では取引費用が36%増の25億1500万ドルに膨らみましたが、報奨・人件費を11%増に抑制し、利幅を確保しています。

セグメント別業績

事業別ではグローバルバンキング&マーケッツ部門が好調で、純営業収益が19%増の127億3800万ドルに達しました。人工知能(AI)絡みのテーマで市場が活況を呈する中、機関投資家が新たなポジションを取った効果で収益が拡大しました。

中でも企業統合・合併(M&A)の完了件数の増加を背景に助言業務が89%増の14億9400万ドルとなりました。株式引受業務の収入が45%増の5億3500万ドルに伸びた効果も重なり、投資銀行手数料収入は合わせて48%増の28億4000万ドルに急拡大しています。

また、株式業務では仲介が7%増の27億1800万ドル、エクイティ・ファイナンスが59%増の26億800万ドルとなり、全体では27%増の53億2600万ドルに達しています。

ガイダンス

ソロモン最高経営責任者(CEO)は、現状の懸案として地政学リスクを挙げています。米国・イスラエルとイランの戦争の解決が遠のけば、4-6月期と7-9月期にインフレ高騰などのリスクが高まるとの見通しを示しました。

【図表3】ゴールドマン・サックス[GS]:業績推移(単位:百万ドル)
出所:LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は12月
【図表4】ゴールドマン・サックス[GS]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年4月17日時点)

ファスナル[FAST]:製造業を中心に需要が拡大

2026年1-3月期決算

留め具(工業用ファスナー)や工作機械を製造するファスナル[FAST]が発表した2026年1-3月期決算は売上高が前年同期比12%増の22億200万ドル、純利益が14%増の3億4000万ドルでした。EPS(1株当たり利益)は0.30ドルで、LSEGがまとめた市場予想の0.2994ドルをわずかに上回っています。

新規契約の獲得や製造業を中心とした需要の拡大で、全体の売上高は押し上げられました。徹底したコスト管理と営業レバレッジも奏功しました。増収増益はこれで5四半期連続で、1割強の増収増益は3四半期連続です。

売上高が着実に伸びる中、粗利益率は前年同期の45.1%から44.6%に低下しています。利益率の低い大口顧客への販売比率が高まったのが主な要因です。ただ、販売費と一般管理費は9%増の5億3530万ドルに抑えられ、営業利益は14%増の4億4800万ドルに伸びています。営業利益率は前年同期の20.1%から20.3%に改善しました。

セグメント別業績

セグメント別の動向(1日当たり売上高ベース)では、「ダイレクト(直接材料/OEM・生産用)」と「インダイレクト(間接材料/MRO・施設メンテナンス用)」がともに2桁増でした。ダイレクト分野全体では13%増と伸び、このうちファスナー(留め具)が14%増。インダイレクト分野でもファスナーが17%増とけん引し、全体では12%増えています。最終市場別では、収益の柱である「製造業」向けが12%増、「非住宅建設」向けも17%増と堅調でした。

ガイダンス

2026年度の設備投資額はアトランタ拠点の再整備や物流網、ITへの投資拡大を背景に、3億1000万ドル-3億3000万ドルを見込んでいます。2025年度の実績である2億3060万ドルを大幅に上回る見通しです。

【図表5】ファスナル[FAST]:業績推移(単位:百万ドル)
出所:LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は12月
【図表6】ファスナル[FAST]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年4月17日時点)

コンステレーション・ブランズ[STZ]:主力のビール事業が底堅く推移

2025年12月-2026年2月期決算

メキシコビールなどを販売する酒造大手のコンステレーション・ブランズ[STZ]が発表した2025年12月-2026年2月期決算は売上高が前年同期比11%減の20億5000万ドル、純利益が2億200万ドル(前年同期は3億7500万ドルの純損失)となりました。非GAAP(米国会計基準)ベースのEPS(1株当たり利益)は1.90ドルで、LSEGがまとめた市場予想の1.718ドルを10.6%上回っています。

ワイン・蒸留酒事業の苦戦で売上高が減少し、粗利益も15%減の9億5200万ドルに落ち込みました。一方、前年同期にのれんや無形資産の減損損失5億4800万ドルと資産の減損損失4億7800万ドルを計上していた反動で、営業損益ベースでは黒字に転換しました。営業利益は4億4200万ドル(前年同期は1億5000万ドルの営業赤字)です。

セグメント別業績

部門別では主力のビール事業が底堅く推移しました。出荷量が1%増の8630万ケース(355ml缶で24本相当)と小幅ながら増え、売上高が1%増の17億2600万ドルでした。世界的に知名度が高い「コロナ」のほか、「パシフィコ」や「モデロ・エスペシアル」の販売が堅調だったようです。ただ、営業利益は8%減の5億7300万ドルにとどまっています。

一方、ワイン・蒸留酒事業は売上高が58%減の1億9400万ドル、営業利益が97%減の300万ドルと苦戦しました。ワインやウオッカのブランドを売却した影響で収益が大幅に減少しています。売却の影響を除くと出荷量は7%増えています。

2026年2月通期決算

2026年2月通期決算は売上高が前年比11%減の97億5600万ドル、純利益が16億8700万ドル(前年は8100万ドルの純損失)です。やはり前年に巨額の減損損失を計上した反動で黒字転換を果たしています。

ガイダンス

決算発表時のガイダンスでは2027年2月期のEPS(非GAAPベース)を11.20-11.90ドルと予想しています。2026年2月期の実績である11.82ドルから横ばいの圏内を見込んでいます。

【図表7】コンステレーション・ブランズ[STZ]:業績推移(単位:百万ドル)
出所:LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は2月
【図表8】コンステレーション・ブランズ[STZ]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年4月17日時点)

デルタ航空[DAL]:航空機燃料費用の急増で苦戦

2026年1-3月期決算

デルタ航空[DAL]が発表した2026年1-3月期決算は売上高が前年同期比13%増の158億5400万ドル、純損失が2億8900万ドル(前年同期は2億4000万ドルの純利益)となりました。非GAAP(米国会計基準)ベースの調整後EPS(1株当たり利益)は0.64ドルで、LSEGがまとめた市場予想の0.5726ドルを11.8%上回っています。

旅客と貨物の両事業の売上高は着実に伸びたものの、営業費用が14%増の153億5300万ドルに膨らみ、営業利益ベースの利幅は縮みました。特に米国とイスラエルの対イラン攻撃で原油価格が高騰したあおりで、航空機燃料費用が14%増の27億4200万ドル、石油精製費用が56%増の16億5400万ドルとなり、利益を圧迫しています。

ガイダンス

決算発表時のガイダンスでは2026年4-6月期の税引き前利益が10億ドル前後にとどまり、前年同期実績の25億7400万ドルから急減すると予想しています。2026年12月通期については売上高の伸びが10%台前半、営業利益率が6-8%、EPSが1.00-1.50ドルの範囲に入るとの見方を示しています。

【図表9】デルタ航空[DAL]:業績推移(単位:百万ドル)
出所:LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は12月
【図表10】デルタ航空[DAL]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年4月17日時点)