ニュースドリブン相場と「TACOトレード」現象
・トランプ米大統領はイランに対し、エネルギーインフラの破壊も辞さない最終通告(48時間の猶予)を示し、原油急騰や欧州・中東への報復リスクを織り込む動きが強まった。
・しかし、その直後に「敵対関係の完全解決に向けた生産的協議が進展」と発言が軟化し相場が反転。強硬と軟化で市場が往復する「TACO(Trump Always Chickens Out)トレード」のパターンが再現した。
・トランプ米大統領の発言一つで世界の株式・原油・金利が同時に大きく振れ、ボラティリティが高い環境が続いている。
米企業の業績予想の底堅さ
・S&P500のEPS予想は上方修正が進行。2026年第1四半期は前年同期比+10.7%から約+11.9%へ、第2四半期は+15.5%から+18.3%へと上振れした。
・地政学リスクを消化しつつも米企業業績の土台は大きく崩れておらず、相場は不安定でもファンダメンタルズは相対的に堅調という評価である。
過去の戦争相場との比較と先行き
・1990年の湾岸戦争(イラクのクウェート侵攻)では、一時S&P500が約2ヶ月で約2割下落し、WTIは約20ドルから40ドルへ急騰。その後、原油が天井打ちすると株は反発し下げを取り戻した。
・一方、2003年のイラク戦争では、ITバブル崩壊後の安値圏を起点に不透明感後退で上昇相場が長期化し、WTIが30ドルから80ドルへ上昇しても株は約4年で8割上昇した。
・現在は1990年型に近く原油動向への感応度が高い局面である。原油が上がり続けるとインフレ圧力が強まり利下げ期待が後退、米10年債利回りは高止まりしやすく株式には逆風となる。原油価格が下がればその逆で株に追い風となる。
・長期的には米国優位との見方で、AI活用(例:パランティア)を含むテクノロジー主導の戦争様相が背景にある。ホルムズ海峡の安全確保が進めばイラン・リスクプレミアムが剥落するが、中東動向次第では、紛争長期化やテロ・地域拡大のリスクも残る。
