トレンドラインが有効に機能

前回の「金融政策と75日移動平均線の関係が重要な理由」の記事内では、「75日移動平均線上を維持することが上昇トレンドを維持するための重要なカギ」と指摘しました。しかし、今週(3月23日週)に入ってからは、75日移動平均線を下回り、3月9日の取引時間中の安値も下回る結果となりました。

また、5日移動平均線が75日移動平均線を下回るデッドクロスも発生しており、前回指摘した通りの展開となっています。そうしたなか、これまで指摘してきたトレンドラインが荒れる相場のなかで有効に機能しています。その根拠が3月18日の大幅高と翌日3月19日の反落です。

3月18日、日経平均は1,539円の大幅高となりました。終値は55,000円台を回復して55,239円となり、この日の高値で終えました。しかし、これまでサポートになっていたトレンドラインを上回ることができませんでした。こうした状況から、仮にバッドニュースがあれば、反落してトレンドが転換する可能性があると判断できます。実際、翌営業日の反落でトレンド転換が決定的となりました。

相場の反転を示すサインが点灯

この時に発生した陰線は、トレンド転換を示すもう1つの重要なサインになります。この陰線は単なる陰線ではなく、非常に重要な意味を持つためです。では、実際に発生した陰線の始値に注目してください。

単なる陰線ではない理由は、始値にあります。この陰線の始値は、前日の大陽線の始値近辺です。前日の始値近辺から値がついて取引が始まるパターンは、前日の大陽線の上昇分を完全に帳消しする形になるため、前日の上昇の流れが一気に逆転したことになります。そのため、トレンド転換を示唆していると考えられます(図表)。

また陽線と、この陽線の始値近辺からスタートする陰線の組み合わせは「行き違い線」と呼ばれます。テクニカル分析では、トレンド転換を示す組み合わせとしてよく知られています。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※移動平均線の期間は5日(青線)、25日(赤線)、75日(グレー線)で設定
※出来高はプライム市場
※モメンタムの期間は10日(青線)で設定し、モメンタムの3日移動平均線(赤線)も表示

3月に入ってからの値動きのように変動が大きくなったり、方向がはっきりしなくなったりすると、テクニカル分析に対する信頼性に疑問が出てくることがあると思います。ですが、よく見ると、トレンドラインを上回ることができなかったことに加えて、行き違い線が発生しており、下落に向かう可能性が示唆されていました。これは見落としてはいけない重要なサインと言えます。

5日移動平均線が75日移動平均線を下回るデッドクロスが発生しています。そのため、今後については、5日移動平均線を上回って維持できるかどうかが、上昇トレンド回復のカギになるでしょう。仮に5日移動平均線が上値の抵抗になったまま推移するようだと、さらに下落が続く可能性があります。リバウンド狙いの買いには注意が必要です。

モメンタムは反発を示唆しているのか

続いて、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回っていることが分かります。

ただし、3月23日に大幅安となって今月の安値を更新しているにもかかわらず、モメンタムは右肩上がりになっており、「逆行現象」が発生しています。こうした状況から、モメンタムが水準を切り上げて、0ラインを上回り、維持できるかが注目ポイントになりそうです。

仮にモメンタムが0ラインを上回って維持するようですと、5日移動平均線を上回って75日移動平均線辺りまで反発することが期待されます。一方で、モメンタムが0ラインを上回っても押し返されたり、下向きに変化して低下したりする場合は、下落の勢いが強いままと考えられます。その場合、株価は5日移動平均線に押し返される状態が続き、5万円に接近、または割り込む可能性も視野に入ります。

トランプ米大統領のSNS投稿によって株価がランダムに動いているように見えることがあります。しかし、トレンドラインやローソク足の組み合わせなどの知識を身に付け、荒相場を乗り切りましょう。