マネックスグループの2026年3月期第3四半期の決算発表を終え、今週は欧州に出張しています。ちょうどミラノ・コルティナオリンピックの開催週で、時差なく結果を追える環境にはいるものの、実際はその余裕もなく、「りくりゅうペア金メダル!」の盛り上がりにも乗り遅れています。

思考の整理と拡張のために、普段から「余白」を意識していますが、出張中はどうしてもそれが薄くなります。英語環境で目的を果たすことに集中し、時差の中で日本とのやり取りをこなし、気がつけば時間に追われている。仕方ないとはいえ、「余白」の大切さを改めて感じます。

そんなことを考えながら、しばしば依頼を受ける講演のことを思い返していました。大学や各種団体から、リーダーシップや企業変革、成長戦略についてお話しする機会をいただきます。「忙しいのによく引き受けるね」「企業活動にとって何の意味があるのか」といった声をいただくこともあります。

確かに準備には相応の時間がかかりますし、毎回「役に立っただろうか」「期待とズレていなかっただろうか」と振り返ります。それでも続けているのは、外で語ることが、自分たちの思想を磨く行為だと思っているからです。また、顔が見える会社でありたい。次世代のリーダーづくりに少しでも貢献したい。そして、「自分も一歩踏み出してみよう」と思ってくださる方が一人でもいれば、それは十分に意味があるのではないか、とも考えています。

講演は発信であると同時に、問いを受け取る場です。自分のコミュニティの外にいる方々の視点は、会社の立ち位置を見つめ直す機会にもなります。私は、外に出ることは本業の外側にある活動ではなく、マネックスグループの思想や哲学を試し、磨き、持ち帰る循環だと考えています。

出張先で余白のなさを感じながら、改めて思いました。私の役割は、当社が社会にしっかりとインパクトを出せる状態をつくること。思想を磨き、外に伝え、認知を広げることも欠かせません。忙しさの中にこそ、意味を問い直す余白を持ち続けたいと思います。