同じ世代でも、異業種の人たちと話していると、同じニュースに対する感想が少しずつ異なります。統計では改善していても、現場の感覚ではむしろ厳しい、といった具合です。選挙を経たこの時期は話題も豊富で、国内への関心が高まるほど、さまざまな差異が見えてきます。

データで良くみられるのは変化率ですが、人が日常で感じるのは水準です。物価上昇率が鈍化しても、物価そのものが下がるわけではなく、実感は変わりにくい。変化の速度より、積み重なった結果のほうが生活には強く残ります。今後5年間で物価は毎年10%程度あがるとの生活者アンケート結果もあります。

人は見えるものに敏感ですね。重大犯罪が減っていても、身近に小さなトラブルが増えれば不安は高まる。SNSはそれを助長するかもしれません。統計は全体像を示し、体感は局所を映す。両者は食い違っているのではなく、測っている対象が違うのでしょう。

大衆は無知なのではなく、数字が拾いきれない現実を感じ取っているのかもしれません。立ち位置が違えば、世界の輪郭も違って見える。自分の見ている景色だけが現実だと思い込まないことが大切ですね。意見の違いは誤解ではなく、現実を深く理解するための入口のようです。