東京市場まとめ
1.概況
日経平均は577円高の50,084円と、続伸して寄付きました。先週末の米国市場でハイテク株を中心に買いが入ったことや、外国為替市場で円安ドル高が進行していたことを受け、序盤から買いが優勢の展開となりました。
好調に上げ幅を拡大した日経平均は、10時38分に1,083円高の50,590円をつけ、本日の高値を更新しました。その後はわずかに上げ幅を縮小したものの、973円高の50,480円で前場を終えました。
後場は高値圏で底堅い値動きとなりました。特段の売り材料もなく、前場終値から横ばい圏での推移となった日経平均は、最終的に895円高の50,402円と続伸して取引を終えました。
TOPIXは21ポイント高の3,405ポイントで続伸、一方、新興市場の東証グロース250指数は2ポイント安の654ポイントと、反落して取引を終えました。
2.個別銘柄等
アドバンテスト(6857)は4.5%高の20,050円をつけ、大幅続伸となりました。先週末の米国市場でエヌビディア[NVDA]が3.9%高、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3.0%高となったことで、半導体セクターへの買い安心感が広がり、日本の関連銘柄にも買いが波及しました。
ニトリホールディングス(9843)は4.3%安の2,710円をつけ、大幅続落となりました。先週19日の植田日銀総裁の会見後、ドル円相場で円が下落し、本日157円台後半まで円安が進んだことで、輸入コスト増が懸念される「円安デメリット銘柄」の一角として売りが出ました。
ニデック(6594)は4.7%高の2,091円をつけ、4日続伸となりました。19日の取引終了後、創業者の永守重信氏が代表取締役を辞任すると発表しました。非常勤の名誉会長に就くことで経営の第一線から退く形となり、不適切会計問題などで揺れる内部管理体制の刷新に向けた一歩と受け止められ、買いが入りました。
自転車小売のあさひ(3333)は2.1%安の1,324円をつけ、反落となりました。13時に2026年2月期の純利益予想を、従来の36億円(前期比2.7%増)から26億円(同25.7%減)へ下方修正しました。一転して大幅減益の見通しとなったことが嫌気されました。
アパレルブランド運営のyutori(5892)は17.4%高の2,675円をつけ、3日続伸となる大幅高となりました。19日、スマホゲーム開発のアカツキ(3932)などとの資本業務提携を発表しました。知的財産(IP)事業の拡大による収益成長を期待した買いが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は一時1,000円を超える上昇を見せ、節目の5万円台を力強く回復しました。円安基調も輸出株を中心に支えとなっています。明日に向けては、本日の大幅上昇(1.8%高)の反動から利益確定売りが出やすいものの、5万円の大台を維持できるかが焦点となります。海外勢がクリスマス休暇に入る中、日中は材料難から方向感を探る展開が見込まれます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
