定量的な分析は、感情的な要素をある程度切り離し、状況を冷静に捉えるための手法と言えるでしょう。データの性質に目を向けることで、数字が示す意味をより正確に理解することができます。
最近、国際決済銀行(BIS)は、BSADFテストという統計的アプローチから市場動向に言及しました。米国株式と金価格が同時に急騰し、時系列的に「爆発的」な挙動を示しており、バブルと整合的な統計的特徴が観測されると指摘しています。
BSADFテストは、価格が通常のランダムな変動やトレンドの範囲を超えて、統計的に加速している局面が存在するかを検出する手法です。観測期間をずらしながら検定を繰り返すことで、一時的なバブル的挙動を時系列的に捉えようとします。
感情や直感に依らない統計的な視点として傾聴に値する一方で、市場を動かすのは人々の期待や不安でもあります。数字が示す冷静な視点と、その背後にある人間の心理を併せて考えることが重要でしょう。期待は続くのか、現実はどうなるのか、そのバランスを注意深く見ていく必要があります。
- 塚本 憲弘
- マネックス証券 インベストメント・ストラテジーズ兼マネックス・ユニバーシティ シニアフェロー
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一橋大学 経済学部卒。東京都市大学・非常勤講師。専門分野は投資戦略全般。
国内信託銀行で経済分析、投資戦略の策定、ファンドマネージャーを歴任。その後プライベートバンクにて経済分析や幅広い資産クラスによる投資戦略、ポートフォリオ分析に従事。2021年より現職。
