高市トレード継続のためのテクニカルポイントは?      

10月10日の現物取引終了後に公明党が連立離脱を発表しました。そして、その日の夜、中国がレアアースの輸出規制を強化したことに対抗して、トランプ米大統領が「中国からの輸入品に対して100%の追加関税をかける」と発表したことが悪材料と受け止められ、3連休明けの10月14日の日経平均は1,200円超の下げ幅と、大幅続落となりました。
     
ただ、日経平均は下向きの5日移動平均線を大きく下回って終えたものの、いわゆる高市トレードが始まってからの上昇トレンドの水準は維持しています。そのため、5月13日の終値と8月18日の終値を結んで延長した線であるトレンドライン上を維持できるかどうかが、高市トレード継続のカギとなるでしょう。

なぜなら、高市自民党新総裁が誕生した後に、上値の抵抗となっていたトレンドラインを一気に上回ったことから、このトレンドラインが、いわゆる高市トレードが続くかどうかのカギになると考えられます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※移動平均線の期間は5日(青線)、25日(赤線)、75日(グレー線)で設定
※出来高はプライム市場
※モメンタムの期間は10日(青線)で設定し、モメンタムの3日移動平均線(赤線)も表示

また、前述の公明党の連立離脱や米中の貿易摩擦の再燃に対する警戒が高まっても、このトレンドライン上を10月14日時点で維持していることから、今のところ高市トレードは継続中と思われます。

上記のような状況から、今後もこのトレンドラインを上回ったまま維持すると、高市トレードが継続中と考えられ、高値更新に対する期待が続くでしょう。一方で、このトレンドラインを下回って戻せなくなるようだと、高市新総裁が誕生する前の水準に戻ってしまうことが視野に入るとともに、25日移動平均線を割り込むことが考えられるため、高値掴みを避けるとともに損失の発生や拡大に注意が必要です。

モメンタムの低下は高市トレードの終焉か

そうした中、注目しておきたいのが、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムです。また、モメンタムを使うときに注目する必要があるのが「向き」と「水準」です。

10月14日時点のモメンタムとその移動平均線であるシグナルを見ると、株価が下落する中、モメンタムの向きが下向きに変化するとともに、水準は直近の高い水準と比較して切り下がっているのが分かります。こうしたパターンが、「逆行現象」と呼ばれるもので、株価が高値を更新しているにもかかわらず、上昇の勢いが鈍ってきていることを示唆しています。

今週(10月13日週)は、モメンタムの低下が続くかどうかが注目ポイントになるでしょう。仮にモメンタムが0ラインを割り込むとともにトレンドラインも下回って戻せなくなるようだと、トレンドの転換が視野に入るでしょう。その反面、モメンタムが0ラインを上回ったままで推移したり、トレンドライン上を維持したりするようであれば、高市トレードの継続と高値更新への期待が継続するのではないかと考えられます。