モトリーフール米国本社 – 2025年10月7日 投稿記事より
アーク・インベスト、成長株の買い増しを開始
キャシー・ウッド氏には、オフィスにおいて静かな一日を過ごすということはありません。アーク・インベストメント・マネジメントの創業者兼CEOである同氏は、自身が運用するアグレッシブ・グロース(高成長)上場投資信託(ETF)のポートフォリオを通じて、精力的な投資を続けています。
2025年10月6日(月)、ウッド氏は既に保有している銘柄のうち6銘柄を追加購入しました。今回は追加購入された銘柄のうち、メルカドリブレ[MELI]、アリババ・グループ[BABA]、ドアダッシュ[DASH]の3銘柄についてみていきましょう。
メルカドリブレ[MELI]
ラテンアメリカは、米国やほかの多くの地域よりもオンライン化がまだ初期段階にあることから、大きなビジネスチャンスが存在しています。メルカドリブレ[MELI]はeコマースとフィンテック市場における先駆者としての優位性を最大限に活かし、リーダー的地位を築いています。
メルカドリブレはオンライン・マーケットプレイスとして創業し、現在もラテンアメリカの主要市場すべてでトップの地位を維持しており、過去1年間で9,400万人のユニークバイヤー(個別の購入者)にサービスを提供しました。顧客の定着率も高く、四半期あたり平均7.4点の商品を購入しています。物流面での課題も多い地域ですが、それでも全注文の約4分の3が2日以内に配達されています。
ブラジル、メキシコ、アルゼンチンの3大市場で25%を超える売上成長があるeコマース事業の好調さもさることながら、フィンテック事業はさらに大きな可能性を秘めています。メルカドリブレの直近四半期において、同社の決済サービスであるメルカドパゴ(Mercado Pago)を通じた決済総額は646億ドルに達しました。決済処理額は前年比39%増と、依然として堅調なeコマース事業を上回る成長率であり、その取扱高は同社のオンライン小売事業における流通取引総額(GMV)の4倍超に達しています。
メルカドリブレの収益が予想を下回ったことは事実ですが、その背景には明確な理由があります。競合に対抗しつつ市場シェア拡大を図る戦略の一環として、同社はブラジルにおいて「送料無料」の対象となる最低注文額を75%引き下げました。この取り組みは、アマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏の「競合他社のマージンは我々の機会である」という有名な言葉を体現していると言えるでしょう。
アリババ・グループ[BABA]
ウッド氏はここ数週間、中国の成長株を買い増しており、今週はその一環としてアリババ・グループ[BABA]を追加購入しました。アリババは2025年に入ってから株価が上昇を続けており、年初来2倍超に上昇しています。
米中間の貿易摩擦があるにもかかわらず、アリババは中国国内における優位性を揺るがせていません。国際販売部門であるアリエクスプレス(AliExpress)は、これまでと同様に世界のほぼ全域を対象にサービスを提供しています。さらにアリババは人工知能(AI)分野での存在感も高めてきています。中国政府は、米国製AIチップメーカーに対する輸出規制によって生じた空白を埋めるために、国内企業を支援しており、アリババはその中心的存在となりつつあるのです。
アリババの株価を押し上げているのはウッド氏や投資家だけではありません。同社は先週、第3四半期に2億4,100万ドルの自社株買いを実施したことを明らかにしました。過去2年にわたって四半期ごとの自社株買いを継続しています。株価が2倍超に上昇したにもかかわらず、アリババの株価収益率(PER)は過去12ヶ月ベースで22倍未満と、依然として割安感があります。
ドアダッシュ[DASH]
ウッド氏は海外銘柄だけでなく、アメリカ国内株にも目を向けています。カリフォルニアのドアダッシュ[DASH]も10月6日(月)に購入された銘柄の1つでした。同社は米国を代表するレストラン配達アプリを運営しており、株価は過去1年間で95%増と急騰するなど、成長と遂げています。
第1四半期終了時点で、ドアダッシュの売上高は5年連続の成長鈍化傾向が見られましたが、現在では再び成長加速モードに入っています。第2四半期に記録した25%の売上高増加率は、前年同期を上回るペースです。また、2024年には黒字化を達成し、懸念材料の1つを解消しています。今後は、消費者が店頭での買い物による「節約」よりも「利便性」を重視する傾向がある中、この成長ペースを維持できるかどうかが注目されます。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Rick Munarrizは、アリババ・グループの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はドアダッシュおよびメルカドリブレの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社はアリババ・グループの株式を推奨しています。モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。
