政策金利が15%の国、そしてインフレ率が40%の国に、それぞれ行きました。現地で得た印象は、生活は普通に営まれていて、特にぎすぎすしたりあくせくしている様子もなく、雰囲気も落ち着いていて、逆に驚きました。人は、強いものです。もちろん、政策金利が高い国では現金をなるべく持たないようにしていたり、そしてそのためにデジタルペイメントが特に発達していたり、インフレの国ではドル化が進むなど、様々な防衛は行われているのですが、日々の生活は穏やかな感じでした。
しかしそれは一方で、目に見えないところで、国外にお金を持ち出したりとか、色々な意味で「国から逃げる」ことが起きていて、それが自国通貨を継続的に弱く・安くさせていたり、またいつ財政破綻が起きてもおかしくないような状態にさせています。これらは、鶏と卵の関係のようで、為替が弱くなるので逃げているとも云えるし、逃げているから為替が弱くなるとも云えます。しかしなべて云えるのは、国民の国(政治、政治家)に対する強い不満、国(政治、政治家)を信じていないことです。文化や祖国としての国を愛しながら、政治主体としての国を嫌い、信用しない。この求心力の無さが、国を滅ぼすのです。
もって他山の石となすべしと、しみじみと感じたのでした。
