ボリンジャーバンドで見ると、8月は+3シグマに突入する勢い

8月相場が終わり、TOPIX(東証株価指数)の月足は5月相場から4ヶ月連続の陽線を形成しています。図表のボリンジャーバンド(20ヶ月)で見ると、8月は+3シグマに突入する勢いのある動きとなりました。

【図表】TOPIX(東証株価指数)月足(期間5年)
指標:ボリンジャーバンド(20ヶ月)、緑色線が±1σ、赤色線が±2σ、青色線±3σ
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年9月2日午前10時時点)

ボリンジャーバンドとは、移動平均線を中心に上下の値動きの幅を示す標準偏差(σ、シグマ)を加えた指標です。標準偏差をボラティリティと考え、標準偏差(σ)とその2倍の標準偏差(2σ)を移動平均線を中心にプラスとマイナスの方向に広げ、合計5本のラインで構成されたものが一般的です。さらに、3倍の標準偏差(3σ)を加えると合計7本のラインになります。

価格が移動平均線の周りに正規分布していると仮定し、中央値に近い値ほど価格の出現確率が高く、価格推移は-1σ~+1σに68.27%、-2σ~+2σに95.45%、-3σ~+3σに99.73%に収まるという考え方をします。中央値から2σ以上乖離した価格の出現確率は極めて低いといわれます。

9月は8月の反動で下落する可能性が高い

8月相場が+3σ近くで終えたことで、9月はその反動で下落する可能性が高いといえるでしょう。+3σの下で推移する+2σ(3021ポイント、9月1日現在)近くを意識した動きにとどまることが予想されます。

2011~2024年までの9月相場を単純に平均推移で振り返ると、月初めからの上昇は15営業日頃にピークとなり、月末に向けて下落する傾向があります。2020~2024年の直近5年間では、少し早めの11営業日目にピークをつけ、後半は下落する傾向となりました。2021年や2023年は9月に高値をつけ、年末まで高値を超えることはありませんでした。

「5月に売って9月に戻ってこい」は通用しない可能性

2025年もこれから、FOMC(連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合などの中銀イベント、メジャーSQ、9月中間決算銘柄の権利月、配当再投資、政治イベントなど、いろいろ考えるタイミングに入っていきます。相場格言でいう、「5月に売って9月に戻ってこい」というのは通用するのでしょうか。

すでに5月から上昇が続いてきたわけですから、急落でもない限り、9月に戻ると高値つかみになることも考えられます。「5月に売っても9月に戻るな」ぐらいの心構えが必要なのかもしれません。