日が短くなってきたなぁと思っていたら、もう8月も終わるのですね。すなわち、大阪関西万博もあと1ヶ月半。関西出身の人ほど「期待以上だった」と話す気がしており、生まれ育ちが大阪の身としては一度は行っておかないと!と思いつつ、一歩踏み出せない状況でした。が、ようやく、予定を立てることができそうです。

もっとも驚きはありません。私はこれまで、限定イベントやグッズの熱狂に飛び込んだことがなく、東京オリンピックのチケットも申し込まず、アイドルやコンサートの行列にも無縁。そんな私でも、飲食店の期間限定ノベルティ企画で起きた混乱には考えさせられました。大人が集まりすぎ、本来の対象の子どもに行き渡らないばかりか食品ロスまで生じるという残念な光景に。楽しい企画が「社会問題」に変わる瞬間でした。

根底にあるのは「希少性マーケティング」の功罪でしょうか。希少価値は注目を集めますが、設計の難しさゆえに社会的コストが表に出てしまうこともある。抽選制や「食べ終わったら景品を渡す」など工夫があれば防げたかもしれません。この出来事はネガティブではありましたが、同時に、「企業と消費者の関係をどう守るか」「限定や熱狂とどう向き合うか」を考える機会にもなりました。

熱狂の外側に生きてきた私にとっても他人事ではありません。マーケティングの強烈な力を感じると同時に、その本質はグランドデザイン/思想/WHYを問い直すことだと気づかされます。マーケティングの専門家ではない私ですが、それでも色々と考えさせられたのです。

「誰かの笑顔のために、どんな仕組みをつくるのか」それは大きな仕掛けでも日常の小さな企画でも変わらない問いです。そう考えると、大阪関西万博にはどんな「笑顔の仕組み」があるのか、ますます気になります!