東京市場まとめ
1.概況
日経平均は132円高の43,846円と続伸で寄付きました。半導体関連銘柄に買いが入ったほか、ドル円が円安・ドル高に推移したことで輸出関連銘柄が上昇してのスタートとなりました。一方で、前日まで連日で過去最高値を更新していたことから短期的な過熱感が意識され、中ごろからは売りが優勢で推移しました。10時01分に302円安の43,411円をつけ本日の安値を更新しました。その後は持ち直し、前引けにかけて再び上昇に転じるも、前場は61円安の43,652円で取引を終えました。
後場は前引け水準を下回って取引を開始しました。主だった買い材料に欠ける中で、中ごろは43,600円台で膠着間のある展開となるも、次第に下げ幅を拡大し最終的には168円安の43,546円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が4日続伸、0.05%高で取引を終えました。
2.個別銘柄等
三菱重工業(7011)は1.2%安の3,905円をつけ3日ぶりに反落となりました。日本経済新聞が19日に「米国防総省の当局者が、日本政府の防衛費増額の取り組みに強い不満を持っていることが18日までに明らかになった」と報じ、防衛費の増額要求への思惑から買いが先行するも、株価は既に高値圏にあり、次第に利益確定売りが優勢となりました。IHI(7013)も3.7%安で取引を終えました。
第一三共(4568)は4.8%高の3,963円をつけ3日続伸となる大幅高となりました。18日、開発中のがん治療薬候補「イフィナタマブ デルクステカン」について、米食品医薬品局から、既存薬よりも高い治療効果を示す可能性がある「画期的治療薬」の指定を受けたと発表し、同薬の開発進展への期待感の高まりが買い材料となりました。
サイバーエージェント(4751)は一時5.9%高の1,933円まで上昇し、連日で年初来高値を更新しました。18日、アナリストによる投資判断が3段階で真ん中の「ニュートラル」から最上位の「アウトパフォーム」に、目標株価を従来の1,550円から2,220円にそれぞれ引き上げられたことが伝わり、これを材料視した買いが入りました。
サントリー食品インターナショナル(2587)は1.5%安の4,577円をつけ5日続落となりました。国内証券が18日付で同社の投資判断を5段階で最上位の「1(買い)」から真ん中の「3(中立)」に2段階引き下げ、また目標株価を従来の6,500円から4,700円に大きく引き下げたことが売り材料となりました。
ハンバーガー専門店チェーンを展開するフライングガーデン(3317)は一時19.2%高の3,130円をつけ年初来高値を更新しました。2025年9月30日を基準日に1株を2株に分割すると発表し、同時に増配も発表し、投資家層の拡大と株主還元の強化を好感した買いが集まりました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は短期的な過熱感が売り材料となり、3日ぶりに反落となりました。週後半まで主要な材料には欠けるものの、今晩は7月の米住宅着工件数や、明日20日は日本で7月の貿易収支と6月の機械受注統計といった経済指標の発表が予定されています。また、今晩はダウ平均構成銘柄でもあるホームデポ[HD]の決算発表も予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
