【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,484.42  ▼10.52 (7/2)
NASDAQ: 20,393.13  △190.24 (7/2)

1.概況

米国市場では、主要3指数がまちまちの結果となりました。前日まで4連騰を記録していたダウ平均は、10ドル安の44,494ドルと小幅に反落しました。6月の米ADP雇用者数では、米民間部門の雇用者数が減少し、労働需要の鈍化が示されたことから米経済の失速が意識され序盤は軟調な推移となりました。

その後、関税交渉を巡って米政権がベトナムと合意に達したとの発表を受け、一時ダウ平均は、62ドル高の44,557ドルまで上昇し本日の高値を更新しました。その後はもみ合いとなり、前日比10ドル安の44,484ドルとなり小幅安で取引を終えました。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は、190ポイント高の20,393ポイントとなり反発しました。市場が重視する半導体関連はフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1.9%と大きく上昇したことを追い風に大きく上昇しました。S&P500指数は、前日比29ポイント高の6,227ポイントで反発となり、2指数はともに最高値を更新しました。

2.経済指標等

6月のADP雇用者数は民間雇用者数が前月比3万3000人減となり、市場予想と前回を下回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち、エネルギーや素材、情報技術などの7業種が上げ、特にエネルギーと素材、情報技術の3セクターで1%以上の上昇となりました。一方で、4業種が下げ、ヘルスケアと公益事業の2業種で1%近い下落となっています。

4.個別銘柄動向

米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中13銘柄が上昇となりました。なかでも、ナイキ[NKE]が4%超上昇したほか、エヌビディア[NVDA]とアップル[AAPL]、アムジェン[AMGN]が2%超上昇しました。

一方で、17銘柄が下落となり、なかでもユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が5%超で急落しました。医療保険のセンティーン[CNC]が2025年通期のEPS(1株当たり純利益)見通しを取り下げると発表したことで大幅下落となり、関連銘柄として影響を受けた模様です。また、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]も3%超下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ[TSLA]は第2四半期の販売台数が2四半期連続での減少となるも、一部で警戒されていた程には落ち込まなかったことで買いが入り5.0%上昇となりました。靴販売のオン・ホールディングス[ONON]はトランプ米政権が同社の主要な取引先であるベトナムとの関税協議に合意したとの報道が好感され2.8%上昇となりました。アドビ[ADBE]はアナリストの投資判断と目標株価の引き下げを受け、3.5%下落となりました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日比0.04%高い4.28%となりました。ドル円は、143円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場は高安まちまちの結果となりました。S&P500株価指数、ナスダック総合株価指数は最高値を更新しており、日本でも一部のハイテク株には買いが入る可能性が考えられます。一方で、今晩発表される6月の米雇用統計を前に、方向感に欠ける展開が予想されます。

昨日発表された米ADP雇用者数は市場予想を大きく下回る結果となっており、今晩の雇用統計でも労働市場の弱さが示される懸念があります。結果の確認を前に動きづらい展開が予想されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)