東京市場まとめ
1.概況
日経平均は、222円高の38,056円と反発して寄付きました。ドル円相場が円安・ドル高に推移したことを手掛かりに、輸出関連銘柄への買いが指数を下支えしました。先週末の米国市場は中東情勢の一段の緊迫化を受けて軟調に推移しましたが、本日の日本市場への影響は限定的となりました。また株価指数先物への買いも日経平均を押し上げ、堅調に推移した結果、日経平均は359円高の38,193円で前場を終えました。
後場も一段と上げ幅を拡大しながら推移しました。寄付きから上昇し、13時32分には508円高の38,342円と本日の高値を更新しました。その後は伸び悩み、上げ幅を縮小するも、引けにかけて持ち直し、477円高の38,311円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が3日ぶりに反発となる1.4%高で取引を終えました。
2.個別銘柄等
任天堂(7974)は1.1%高の11,945円をつけ、3日続伸となりました。新型ゲーム機「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ・ツー)」の、米国の初週販売台数が110万台以上(公式通販サイトを除く)になったことがわかり、米国でこれまでに発売されたゲーム機の初週販売台数として過去最高になったと伝わったことで、業績拡大期待の高まりが買いを呼びました。
三井ハイテック(6966)は10.5%安の676円をつけ大幅続落となりました。2026年1月期の第1四半期決算は、駆動用モーターコア等の電機部品事業が振るわず、営業利益が前年同期比12.6%減の34億円と発表し、また前四半期(2025年1月期の第4四半期)の45億円と比べても減益となったことで、これを嫌気した売りが出ました。
丸紅(8002)は3.0%高の2,923円をつけ反発となりました。国内証券が同社の投資判断を3段階で真ん中の「2(中立)」から最上位の「1(アウトパフォーム)」に、また目標株価も従来の2,560円から3,240円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。アナリストは「景気が不透明ななか、業績の安心感が光る」と評価しています。
くら寿司(2695)は0.6%高の3,215円をつけ続伸となりました。2025年10月期(今期)の中間決算は営業利益が前年同期比48.5%減の29億円であったと発表し、市場予想と比べてもの足りないとの受け止めから売りが出た一方で、次第に押し目買いも入り、上昇して取引を終えました。
ナイトウェア「BAKUNE」等を手掛けるTENTIAL(325A)はストップ高水準となる16.0%高の5,090円をつけ、大幅反発となりました。先週13日、2025年8月期(今期)の当期純利益を1.49億円の上方修正となる4.64億円を見込むと発表し、これを好感した買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は、477円高と3日ぶりに反発となりました。明日の材料は、主要7カ国首脳会議(G7サミット)と日銀の金融政策決定会合があげられます。G7サミットでは、緊張感の高まった中東情勢の対応協議がなされる見通しです。
株式市場では、日銀の金融政策決定会合の動向が注視されると考えられ、現時点で既に国債買い入れ金額の減額(四半期で4,000億円から2,000億円)が織り込まれつつあるものの、内容によっては為替相場が大きく変動する可能性に留意が必要でしょう。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)