東京市場まとめ

1.概況

日経平均は8円安の37,523円と小幅に反落して寄付きました。前日の米国市場はメモリアルデーによる休日のため、海外投資家を中心に市場参加者は限られる中で、朝方は売りが先行し、9時23分には119円安の37,411円と本日の安値を更新しました。その後は一転し、一時上昇に転じる場面が見られるも、半導体関連銘柄への売りや、ドル円相場での円高ドル安の進行が重荷となり、91円安の37,440円で前引けとなりました。

後場の序盤は37,400円台半ばで一進一退の推移となりました。その後14時過ぎに、財務省が国債発行計画の見直しを検討すると伝わり、長期から超長期ゾーンの金利が低下したことで、円は一時143円半ばまで急落となりました。円の下落に伴い、日経平均は再び上昇に転じ、そのまま上げ幅を拡大すると14時43分に231円高の37,763円をつけました。その後は伸び悩むも、高値圏で推移し37,769円の本日の高値を付けたあと最終的には192円高の37,724円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が1.8%高、続伸で取引を終えました。

2.個別銘柄等

楽天グループ(4755)は2.3%安の795.1円をつけ反落となりました。日本経済新聞が「日本郵政(6178)傘下の日本郵便と組んで政府備蓄米の販売に乗り出す」と報じました。同社が備蓄米を購入でき次第、自社ECサイトにて販売し、日本郵政が配送を担うと報じられるも、国内証券が本日同社の目標株価を従来の970円から902円に引き下げたことが伝わり、株価は軟調な推移となりました。

キユーピー(2809)は4.4%高の3,386円をつけ続伸となりました。鶏卵価格の高騰を受けて、マヨネーズ等118品目を9月1日出荷分から順次値上げすると発表し、収益改善期待により買いが集まりました。値上げ幅は約4%から18%とされています。

独立系の大手コンサルティングファームであるベイカレント(6532)は、0.3%安の8,468円をつけ7日ぶりに反落となりました。国内証券が同社の投資判断を最上位「強気」から真ん中の「中立に」引き下げ、また前日まで6日続伸しており短期的な過熱感も売り材料となりました。

ディスコ(6146)は1.2%安の33,850円をつけ3日ぶりに反落となりました。国内証券が、同社の目標株価を従来の50,800円から38,200円に引き下げ、これを売り材料視する動きが広がりました。アナリストは2026年3月期も出荷の苦境が継続すると指摘しています。

中小企業支援プラットフォーム「Big Advance」を運営するココペリ(4167)は4.6%高の527円をつけ続伸となりました。東京証券取引所は、同社株式の信用取引に関する臨時措置を27日売買分から解除すると発表しました。個人投資家が売買しやすくなり、信用取引を通じた資金の流入期待から買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

長期金利の低下が株式市場を後押しし、日経平均は3日続伸となりました。終値は37,724円と200日移動平均線(27日大引け時点で37,802円)をわずかに下回っており、明日はこの水準を上回ることができるかが焦点となりそうです。もっとも、エヌディビア[NVDA]の決算が米国時間28日に予定されているため明日は様子見ムードとなる可能性もあり上値を追う展開にはなりづらいとも考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)