【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,792.07  △137.33 (5/19)
NASDAQ: 19,215.46  △4.36 (5/19)

1.概況

昨日の米国市場では、主要3指数が揃って続伸しました。米格付け会社ムーディーズ・レーティングスが米国債の信用格付けを引き下げたことを受け、売りが先行した一方で、長期金利の低下が投資家心理を支えたほか、前週末に引き続きユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が大幅高となったことが指数を押し上げました。

ダウ平均は111ドル安で寄付くと、一時317ドル安の42,337ドルまで下落する場面も見られました。しかし、その後は買いに転じ、上げ幅を広げていくと、187ドル高の42,842ドルでこの日の高値を付けました。その後、上げ幅をやや縮めると結局137ドル高の42,792ドルで取引を終え、3日続伸となりました。

また、S&P500株価指数は5ポイント高の5,963ポイントで取引を終え、小幅ながら6日続伸となりました。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も、4ポイント高の19,215ポイントで取引を終え、小幅に続伸しています。

2.経済指標等

4月の米景気先行指数は前月比1.0%低下となり、市場予想と前回結果(ともに0.8%低下)を下回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち7業種が上昇しました。なかでも、ヘルスケアが1%近く上昇したほか、生活必需品や資本財・サービス、素材などが上昇しています。一方で、4業種が下落となり、特にエネルギーが1%以上下落したほか、一般消費財・サービスや情報技術、金融が小幅に下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中16銘柄が上昇となりました。なかでも、ユナイテッドヘルス・グループが8%超上昇して大幅続伸となりました。また、メルク[MRK]やアムジェン[AMGN]、マイクロソフト[MSFT]が1%以上上昇しました。一方で、14銘柄が下落となりました。なかでも、ナイキ[NKE]やシェブロン[CVX]、セールスフォース[CRM]、アップル[AAPL]、ゴールドマン・サックス[GS]、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]が1%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、ノババックス[NVAX]が15.0%上昇の大幅高となりました。同社製の新型コロナワクチンがFDA(米国食品医薬品局)に承認されたことが好感されました。また、ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス[UAL]は、アナリストによる投資判断と目標株価の引き上げを受けて、0.9%上昇しました。一方で、太陽光発電関連のファースト・ソーラー[FSLR]は、7.6%下落してS&P500株価指数構成銘柄の値下がり率ランキングでワーストとなりました。同社は、米国の保守派共和党議員がクリーンエネルギー税額控除を予定よりも早く終了させることを目指しているということが伝わり、嫌気された売りが広がりました。その他、パランティア・テクノロジーズ[PLTR]は2.5%安、テスラ[TSLA]は2.3%安、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]は2.1%安となりました。

5.為替・金利等

米長期金利は、前日から0.03%低い4.45 %で取引を終えました。ドル円は、144円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場で主要3指数が揃って小幅に続伸した流れを受け、本日の日本市場も小高く寄付くと予想されます。

先週で決算発表が概ね一巡し、個別材料が減る中、本日20~22日にカナダでG7財務大臣・中央銀行総裁会議が開催される予定です。また、その後には日米の3回目の閣僚協議が調整されていると伝えられており、引き続き通商政策を巡る政治ニュースを受けた為替や金利動向に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)