2025年3月26日の急落前の戻り高値(38,027円)が射程圏に

日経平均株価は約3ヶ月間の平均値である75日移動平均線(以下、75日線)を上回ってきました。2024年8月急落後の反発では75日線に頭を抑えられ、急落前の戻り高値を超えられず、短期的な調整が生じました。今回もその可能性が高いと考えていましたが、週明けから難なくクリアしました(図表1参照)。2025年3月26日の急落前の戻り高値(38,027円)が射程圏に入ってきたと言えるでしょう。

直前の下落過程に生じる短期的な反発で付けた高値を戻り高値といいますが、そこを次の反発過程で上回ると上げ転換となります。今回の場合は「スパイクボトム(V字)」の完成といっても過言ではありません。

【図表】日経平均週足チャート (移動平均線 橙色 75日線)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年5月13日時点)

連続高が途切れるポイントを当てるのは難しい

連続高はいつか途切れますが、そこをピンポイントで当てるのは難しいでしょう。目先的な下押しは想定内としても、スパイクボトムによって、予想外に高い想定もできる状況になるかもしれません。2024年10月以降のもみ合いが長かったこともあり、38,000円超の水準は戻り待ちの売り圧力が強くなることで当面の頭打ちのシナリオも想定できますが、売り物以上の買い物が発生すれば話は別です。

2024年8月急落から12月まで戻っていったような相場が再来する場合、何かを待たざるを得ない必要性に駆られるところです。空売り専業のトレーダーにとっては上昇が続いても、虎視眈々と売り参入のタイミングを待てばよいですが、買い方の心理としてはそうはいかない。2024年8月の反発局面に乗れなかった投資家は、おそらく今回の反発局面でも大半は思ったような行動をとれていないと推測されます。

指数採用銘柄に着目し、さまざまな角度で検証してみる

まもなく企業決算が概ね終了します。個別株ベースの短期決算プレーが少しおとなしくなるとみられ、決算評価もアナリストの見方が分かれるところですが、ここからは指数採用銘柄に着目してみましょう。

日経平均株価は75日線を上回りましたが、225採用銘柄すべてがそうではありません。5月12日現在、75日線を上回っているのは128銘柄、下回っているのは97銘柄です。そこで、最も75日線から上方にかい離している銘柄群と、最も75日線から下方にかい離している銘柄群を探し出し、上方にかい離している銘柄群を「売り」、下方にかい離している銘柄群を「買い」とした場合、1ヶ月後にどうなったかをいろいろな角度で検証してみたいと思います。

あくまでも、アイデアの1つであるため、参考程度にしてください。

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(売り対象)
銘柄名                   かい離率(%)
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住友ファーマ(4506)      31.11
IHI(7013)            22.91
日本電気(6701)          22.04
ベイカレント(6532)      20.28
鹿島建設(1812)          18.08

※なお、1位のNTTデータグループ(9613)はNTTによるTOB(株式公開買付)によって上場廃止となる予定のため除外

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(買い対象)
銘柄名                   かい離率(%)
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セイコーエプソン(6724)  -15.04
古河電気工業(5801)      -14.63
安川電機(6506)         -14.62
レゾナック・ホールディングス(4004)    -13.71
村田製作所(6981)        -13.11
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