東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場にて主要3指数が揃って上昇した流れを引き継ぎ、日経平均は348円高の35,387円と続伸で寄付きました。日米財務相会談にて為替に関する具体的な言及がなかったことから、ドル円相場では円が下落し輸出関連株への支えとなりました。序盤から上げ幅を拡大しての推移となるも、上値では利益確定の売りに押され488円高の35,527円で前引けとなりました。

後場は、中国政府が米国に対する125%の報復関税において米国からの一部輸入品を対象から除外することを検討していると伝わったことで、一段高となりました。米中貿易摩擦の緩和が期待された結果、13時8分に796円高の35,835円をつけ本日の高値を更新しました。

その後は伸び悩むも35,600円台と高値圏で推移し、最終的には666円高35,705円で大引けとなりました。新興市場では東証グロース250指数が1.3%高で反発となりました。

2.個別銘柄等

ニデック(6594)は12.4%高の2,510.5円をつけ4日続伸となりました。24日、2026年3月期(今期)の当期純利益は前期比19.3%増の2,000億円を見込むと発表しました。データセンター用発電機等が伸びる見込みで、また米国による関税政策の影響は限定的としたことが好感され買いが集まりました。

ディスコ(6146)は4.3%高の28,730円をつけ続伸となりました。共同通信が、「中国が米国から輸入する一部の半導体製品が報復関税の除外対象になった」と報じ、米中対立の緩和期待から半導体関連銘柄に買いが入りました。アドバンテスト(6857)は4.6%高、レーザーテック(6920)は5.7%高で取引を終えています。

日産自動車(7201)は1.6%高の335円をつけ続伸となりました。24日、リストラ費用や工場の資産価値を減損した影響から2025年3月期(前期)の最終損益は最大7,500億円の赤字となったと発表しました。赤字幅は過去最大となるも、前期の費用計上としたことで、いったんの悪材料出尽くしとの見方から買いが優勢となりました。

サントリー食品インターナショナル(2587)は0.4%高の4,919円をつけ反発となりました。24日、主力商品である「サントリー天然水」等234品目を10月1日出荷分から値上げすると発表し、値上げによる収益改善を期待した買いが入りました。

バーチャルユーチューバーのマネジメントを手掛けるANYCOLOR(5032)は一時4.7%高の3,790円をつけ年初来高値を更新しました。外資系証券が同社の目標株価を従来の4,300円から4,600円に引き上げ、強気の姿勢を示したことが伝わり、これを材料視する買いが入りました。アナリストからはこれまで取り込めていなかったファン層を獲得し、国内事業が再加速の局面に入るとの評価を受けています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は週間で、975円(2.8%)高で取引を終えました。本日は米中対立の緩和期待が株高を支えました。来週に向けて、今週に引き続き主力銘柄の決算発表に注目が集まります。本日の大引け後には信越化学工業(4063)、アステラス製薬(4503)、アドバンテスト(6857)、キーエンス(6861)の決算発表が予定されています。

また経済指標では、米ミシガン大学消費者信頼感指数の4月確報値が発表されます。速報値では約3年ぶりの水準となる50.8であった中で、確報値でも消費マインドの低下基調に変わりがないか注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)