【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,093.40  △486.83 (4/24)
NASDAQ: 17,166.04  △457.99 (4/24)

1.概況

昨日の米国市場は、主要3指数がそろって大きく続伸しました。中国がトランプ政権との協議は現時点で行っていないと明らかにし、協議のために対中関税の撤回を求める強い姿勢を示したことから寄付き後は下落する場面も見られました。その後、クリーブランド連銀のハマック総裁が6月の利下げの可能性を示唆すると買いに転じました。また、トランプ大統領が記者団に対し24日の朝にも中国と協議をしたと述べると、警戒感が和らぎ上げ幅を広げる展開となりました。

ダウ平均は75ドル安で取引を開始し、一時は234ドル安まで下げ幅を広げる場面もありました。しかし、安値を付けた後は反転し、その後は終日堅調に推移しました。上げ幅は一時551ドル高に達する場面もありましたが、最終的には486ドル高の40,093ドルと、その日の高値圏で取引を終え、3日続伸となりました。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は457ポイント高の17,166ポイント、S&P500株価指数は108ポイント高の5,484ポイントで取引を終え、いずれも3日続けて大幅に上昇しました。

2.経済指標等

3月の米耐久財受注は前月比9.2%増となり、市場予想(1.4%増)と前回結果(0.9%増)を上回りました。一方、輸送機器を除くコア耐久財受注は前月比0.0%増で、市場予想(0.3%増)と前回結果(0.7%増)を下回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比6,000件増の22.2万件となり、市場予想とほぼ一致しました。また、3月の米中古住宅販売件数(年率換算)は、前月比5.9%減の402万件となり、2024年9月以来の低水準となりました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種中10業種が上昇となりました。特に、情報技術が3%以上上昇したほか、コミュニケーション・サービスや一般消費財・サービス、資本財・サービス、素材が2%以上上昇しました。また、エネルギーやヘルスケア、金融も1%以上上昇しています。一方で、生活必需品のみ1%近く下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、全30銘柄中24銘柄が上昇となりました。なかでも、セールスフォース[CRM]が5%以上上昇したほか、キャタピラー[CAT]やエヌビディア[NVDA]、マイクロソフト[MSFT]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、ウォルト・ディズニー[DIS]、ゴールドマン・サックス[GS]は3%以上上昇しました。一方で6銘柄が下落となり、アイビーエム[IBM]は6%以上下落の大幅安となりました。また、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]は3%以上下落し、コカコーラ[KO]も1%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、業務プロセス効率化のためのDXプラットフォームを提供するサービスナウ[NOW]が、23日引け後に発表した第1四半期決算で市場予想を上回る売上高、EPS(1株当たり純利益)を発表したほか、ガイダンスでも良好な見通しを示したことで、15.5%上昇の大幅続伸となりS&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。また、トランプ政権が自動車産業対象の関税の軽減を検討しているとの報道で自動車株が上昇となり、フォード・モーター[F]は2.9%高、ゼネラルモーターズ[GM]は2.3%高、ステランティス[STLA]は4.4%高となりました。電気自動車のテスラ[TSLA]も3.5%上昇しています。一方で、飲料メーカーのペプシコ[PEP]は、第1四半期決算で減収、減益となり、4.9%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は、前営業日から0.07%低い4.31 %となりました。ドル円は、142円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場で主要3指数がそろって大きく続伸した流れを受けて、本日の日本市場も上昇して始まることが予想されます。日経平均は、心理的な節目である3万6000円台の回復に向けて、大きく上昇する展開が期待されます。相場は引き続き、関税や為替の動向を見極めながらの推移となりそうですが、米国時間の24日、ベッセント米財務長官と会談を終えた加藤財務大臣が「米国から為替水準や目標に関する言及は一切なかった」と述べ、ドル高是正の要求はなかったことが明らかにされています。

また、本日も決算発表が相次ぐ予定で、信越化学工業(4063)、アドバンテスト(6857)、キーエンス(6861)、野村ホールディングス(8604)などの発表に注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)