【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,520.99  ▼670.25 (3/4)
NASDAQ: 18,285.16  ▼65.03 (3/4)

1.概況

昨日の米国市場は、主要3指数が揃って続落となりました。トランプ政権が同日、カナダとメキシコの輸入品に関税を発動し、中国への追加関税を引き上げたことで、関税強化による経済への影響が懸念され、株式市場では売りが広がりました。

ダウ平均は150ドル安で取引を開始すると、下げ幅を広げ一時843ドル安まで下落してこの日の安値を記録しました。安値を付けた後は、後半にかけて下げ幅を縮めたものの、引けにかけては再び売りの勢いが強まり、最終的に670ドル安の42,520ドルで取引を終え、大幅続落となりました。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は65ポイント安の18,285ポイント、S&P500株価指数は71ポイント安の5,778ポイントで取引を終え、いずれも続落しました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数は、11業種のうち情報技術のみが小幅に上昇しました。一方、その他の10業種は下落し、特に金融は3%以上の下落となりました。そのほか、資本財・サービス、生活必需品、公益事業、一般消費財・サービス、素材、不動産が1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は、30銘柄中6銘柄が上昇しました。なかでもエヌビディア[NVDA]やユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、アイビーエム[IBM]が1%以上上昇しました。一方、24銘柄が下落となり、特にボーイング[BA]は6%以上の大幅安となりました。また、スリーエム[MMM]とアメリカン・エキスプレス[AXP]は4%以上下落し、ゴールドマン・サックス[GS]やジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、ウォルト・ディズニー[DIS]は3%以上下落、コカコーラ[KO]やウォルマート[WMT]、ビザ[V]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、ホームデポ[HD]は2%以上下落しました。そのほか、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]やセールスフォース[CRM]、ハネウェル・インターナショナル[HON]など7銘柄が1%以上下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、太陽光発電のエンフェーズ・エナジー[ENPH]が9.4%上昇してS&P500構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。また、大手薬局チェーンのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]は、投資会社シカモアによる同社の非公開化を支援するため、銀行団が約120億ドルの資金調達に取り組んでいると報じられたことが好感され、5.6%上昇しました。一方で、家電量販店のベスト・バイ[BBY]は、取引開始前に公表した第4四半期決算で、既存店売上高が予想外の増収となったほか、EPS(1株当たり純利益)も市場予想を上回ったものの、通期のガイダンスで市場予想を下回るEPSの見通しを示したことが嫌気され、13.3%下落してS&P500株価指数の値下がり率ランキングでワーストとなりました。また、トランプ政権の関税政策の影響で、自動車株が売られ、ゼネラルモーターズ[GM]とステランティス[STLA]は4%以上下落、フォード・モーター[F]は3%近く下落となりました。電気自動車のテスラ[TSLA]も4%以上下落しています。

5.為替・金利等

米長期金利は前日から0.09%高い4.24%となりました。ドル円は、149円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場が大幅に続落した流れを引継ぎ、本日の日本市場も下落してのスタートが予想されます。こうしたなか、日経平均は心理的節目の3万7000円を割込む展開も想定されます。

一方、エヌビディアが1.7%上昇したことなどを受け、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は0.6%上昇し反発しました。この流れを背景に、日本市場でも半導体関連銘柄に買いが入って指数の支えとなることが期待されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)