【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 43,433.12  ▼188.04 (2/26)
NASDAQ: 19,075.26  △48.88 (2/26)

1.概況

昨日の米国市場は、小幅に高安まちまちとなりました。トランプ米大統領が欧州連合(EU)に対して関税を課す考えを示したことが嫌気されたほか、26日に公表された1月の米新築住宅販売件数が市場予想を下回り、米景気の減速懸念が相場の重荷となりました。一方で、これまで下げが目立っていたハイテク株の一角が買われ、相場を支えました。

14ドル高で取引を開始したダウ平均は、寄付き後に上げ幅を広げ、一時245ドル高まで上昇しました。しかし、高値を付けた後は取引終盤にかけて軟調に推移し、下げに転じた結果、188ドル安の43,433ドルで取引を終え、3日ぶりに反落しました。

一方、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は48ポイント高の19,075ポイントで取引を終え、5日ぶりに小幅に反発しました。また、S&P500株価指数も1ポイント高の5,956ポイントで取引を終え、5日ぶりに小幅に反発しています。

2.経済指標等

12月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比10.5%減の65.7万戸となり、市場予想を下回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち情報技術や公益事業、コミュニケーション・サービス、資本財・サービスの4業種が1%未満の上昇となりました。一方で、生活必需品やヘルスケア、不動産などの7業種が下落となり、特に生活必需品は2%近く下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中11銘柄が上昇しました。特に、エヌビディア[NVDA]は26日の取引終了後に決算発表を控えるなか4%近く上昇しました。また、シャーウィンウィリアムズ[SHW]が2%近く上げ、ウォルト・ディズニー[DIS]が1%以上上昇しました。一方、19銘柄が下落し、ボーイング[BA]やアムジェン[AMGN]、アップル[AAPL]が3%近く下落したほか、メルク[MRK]、マクドナルド[MCD]も2%以上下落しました。また、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]とウォルマート[WMT]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]も1%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、ゼネラルモーターズ[GM]が、取引開始前に取締役会で60億ドルの追加自社株買いを承認したほか、四半期配当を従来の1株0.12ドルから0.15ドルへ増配すると発表し、3.7%上昇しました。また、会計・税務ソフトウェア・クラウドサービス企業のインテュイト[INTU]は、第2四半期決算で売上高が17%増、営業利益が61%増と増収増益を達成し、12.6%上昇しました。一方、共和党の予算案でメディケイド支出の削減が懸念されるなか、メディケイドプログラム最大手の管理会社であるセンティーン[CNC]は7.2%下落し、S&P500株価指数の構成銘柄で下落率ワーストとなりました。また、下落が続くテスラ[TSLA]は4%近く下落し、5日続落となりました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日から0.04%低い4.25%となりました。ドル円は、149円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

取引終了後に決算を発表したエヌビディア[NVDA]は、2024年11月~2025年1月期の売上高が前年同期比78%増の393億3100万ドルとなりました。さらに、2025年2~4月期の売上高見通しは前年同期比65%増の430億ドル前後と、市場予想を上回りました。

EPS(1株当たり純利益)も市場予想を上回り、総じて好調な決算内容だったことから、同社の株価は時間外取引で一時4%近く上昇しています(※執筆時点)。本日の日本市場は、前日のダウ平均の下落が逆風となる一方、エヌビディア[NVDA]の好決算が相場を相場の支えとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)