【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,627.59  △71.25 (2/19)
NASDAQ: 20,056.25  △14.99 (2/19)

1.概況

昨日の米国市場は、主要3指数が揃って小幅に上昇しました。トランプ大統領の関税政策への懸念が相場の重荷となったものの、FRB(米連邦準備制度理事会)が19日に公表した1月28~29日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨で、追加利下げに慎重な姿勢が改めて示された一方で、バランスシート縮小(量的引き締め、QT)の減速や一時停止を検討していたことが明らかとなり、緩和的との見方が相場を支えました。

ダウ平均は78ドル安で取引を開始し、一進一退を繰り返しながらじりじりと下げ幅を広げ、一時243ドル安となりました。しかし、取引終盤にかけて下げ幅を縮め、上昇に転じた結果、最終的に71ドル高の44,627ドルで取引を終え、続伸しました。

また、S&P500株価指数も14ポイント高の6,144ポイントと小幅に続伸し、連日で史上最高値を更新しました。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は14ポイント高の20,056ポイントで取引を終え、5日続伸となりました。

2.経済指標等

1月の米住宅着工件数は年率換算で前月比9.8%減の136万6000戸となり、市場予想を下回りました。また、住宅建築許可件数は年率換算で前月比0.1%増の148万3000戸となり、市場予想を上回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち、ヘルスケアや生活必需品、エネルギーを含む9業種が上昇し、特にヘルスケアは1%以上の上昇となりました。一方、素材と金融の2業種は下落し、特に素材は1%以上の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中18銘柄が上昇となり、特にメルク[MRK]とユナイテッドヘルス・グループ[UNH]は2%以上上昇しました。その他、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]やジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]など7銘柄が1%以上上昇しています。一方で、12銘柄が下落となり、なかでもホームデポ[HD]が2%近く下落しました。また、セールスフォース[CRM]とナイキ[NKE]も1%以上下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、全地球測位システム(GPS)機器やソフトウェアを提供するガーミン[GRMN]が、第4四半期決算で市場予想を上回る売上高とEPS(1株当たり純利益)を達成したほか、2025年通期のガイダンスも好調で、配当も20%増額する計画を明らかにし、12.6%上昇して、S&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。一方で、パランティア・テクノロジーズ[PLTR]は、米国防総省が今後5年間にわたり毎年8%ずつ国防予算を削減する準備を始めるとの報道を受けて、10.1%下落となりました。また、昨日に急騰していたインテル[INTC]は、この日は6.1%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日から0.02%低い4.53%となりました。ドル円は、円高方向に進展して、151円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、昨日の米国市場で主要3指数が小幅高となったものの、トランプ大統領による関税への懸念が拭えないうえに、外国為替市場での円高進行も重荷となり、軟調なスタートが見込まれます。こうしたなか日経平均は、心理的節目の3万9000円を維持できるかが焦点となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)