【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 44,711.43 △342.87 (2/13)
NASDAQ: 19,945.64 △295.69 (2/13)
1.概況
昨日の米国市場は、主要3指数が揃って上昇しました。寄付き前に公表された米生産者物価指数(PPI)は、見出しの数値が市場予想を上回ったものの、FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ指標として重視するPCE価格指数の構成要素が抑制的で良好な結果となったため、米金利は低下で反応しました。
こうしたなか、ダウ平均は57ドル高で取引を開始すると、一時前日終値を下回る場面があったものの、終日堅調に推移しました。また、トランプ大統領は13日、相互関税に関する措置に署名しましたが、即時の発動を見送り、各国との交渉次第となったことで安心感が広がり、取引終盤にかけて一段高となりました。最終的にダウ平均は342ドル高の44,711ドルとなり、反発となりました。S&P500株価指数も63ポイント高の6,115ポイントとなり、反発しています。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は295ポイント高の19,945ポイントとなり、続伸しました。
2.経済指標等
2025年1月の米生産者物価指数(PPI)は前年同月比3.5%上昇となり、3.2%上昇を見込んだ市場予想を上回りました。また、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPPIは、前年同月比3.6%上昇となり、こちらも3.3%上昇を見込んだ市場予想を上回りました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種の全てが上昇しました。なかでも、素材や一般消費財・サービス、情報技術、コミュニケーション・サービスが1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、30銘柄のうち26銘柄が上昇しました。特に、エヌビディア[NVDA]が3%以上上昇したほか、シスコシステムズ[CSCO]は2%以上上昇しました。その他、アップル[AAPL]やシャーウィンウィリアムズ[SHW]、ナイキ[NKE]など11銘柄が1%以上上昇しています。一方で、メルク[MRK]とボーイング[BA]、スリーエム[MMM]、ゴールドマン・サックス[GS]の4銘柄が下落となり、特にメルクは1%以上下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、アプリ開発者向けの支援プラットフォームを提供するアップラビン[APP]が、第4四半期決算にて、市場予想を上回る売上高、EPS(1株当たり純利益)を達成したほか、好調なガイダンスも公表し、24.0%上昇してナスダック100指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。また、ネット証券のロビンフッド・マーケッツ[HOOD]も、第4四半期決算にて、仮想通貨の取引が好調でEPSが市場予想を上回ったことから、14.1%上昇しました。一方で、掲示板型SNSサービスのレディット[RDDT]は、第4四半期決算にて、市場予想を上回る売上高、EPSを達成したものの、競合するグーグルとの競争のなか1日のアクティブユーザー数が市場予想を下回ったことが嫌気され、5.3%下落しました。
5.為替・金利等
米長期金利は前日から0.09%低い4.53%となりました。ドル円は、円高方向に進展して、152円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場で主要3指数が揃って上昇したことを受け、本日の日本市場は堅調なスタートが期待されます。一方、外国為替市場での円高進行が輸出株の重荷となるほか、日本市場が昨日大幅に上昇した反動もあり、一部の主力株では利益確定売りが警戒されます。日経平均は3万9000円台を維持して今週の取引を終えられるかが注目されるなか、ドル円や国内長期金利の動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)