東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場でのダウ平均の上昇を支えに、日経平均は247円高の39,049円で寄り付きました。寄り付き直後の9時2分に301円高の39,102円をつけ、本日の高値を更新しました。その後は米トランプ政権による関税引き上げ懸念が広がる中で、上げ幅を縮小する展開となり、前場は62円高の38,863円で引けました。

後場寄りは開始直後に下げに転じ、12時33分には6円安の38,794円をつけ本日の安値を更新しました。その後は持ち直し、38,850円から38,950円の小幅なレンジで一進一退に推移するも、大引け間際の15時ごろから上げ幅を拡大し、最終的には162円高の38,963円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が6日続伸、1.4%高で取引を終えました。

2.個別銘柄等

エムスリー(2413)は19.3%高の1,659円をつけ大幅続伸で取引を終えました。10日に第3四半期決算を発表し、営業利益は前年同期比8.8%減となる501億円となるも、10-12月期が同3.5%増の211億円となったことから、業績の回復傾向を好感した買いが入りました。

フジクラ(5803)は一時13.2%高の7,555円をつけ昨年来高値を更新しました。10日、取引時間中に第3四半期決算を発表し、通期の当期純利益の上方修正と期末配当の増額を公表したことで、10日に続いて本日も買いを集めました。

東レ(3402)は12.1%安の941.7円をつけ、大幅続落となりました。本日12日に第3四半期決算を発表し、当期純利益は前年同期比64.6%増の751億円となるも通期予想を据え置いたことで、業績の上方修正期待が剥落し売りが優勢となりました。

東京地下鉄(9023)は0.9%安の1,752円をつけ、5日ぶりに反落して取引を終えました。11日、株価指数算出大手の米MSCIが「グローバルスタンダード指数」に同社を採用すると発表したことで寄り付き直後は、株式需給の引き締まりを期待した買いが入るも、段々と上げ幅を縮め、最終的には下落となりました。

アステラス製薬(4503)は0.3%安の1,448.5円をつけ、4日ぶりに反落となりました。英フィナンシャル・タイムズが、米投資ファンドのファラロン・キャピタル・マネジメントが同社株を取得していると報じたことで、一時急騰するも終値では下落で終えています。

VIEW POINT: 明日への視点

トランプ政権による新たな関税政策を受けて、様子見ムードが広がりました。明日に向けて、経済指標では2025年1月分の米CPI(消費者物価指数)が今晩発表され、インフレの鈍化が確認できるかに注目が集まります。コアベースの市場予想は前年同月比3.1%(前回同3.2%)、前月比0.3%(前回同0.2%)で、市場の予想通りであればインフレ鈍化が足踏み傾向にあるとの見方から政策金利が据え置きとなる可能性が高まると考えられます。

本日引け後の決算発表は、日本ではリクルートホールディングス (6098)、ニトリホールディングス(9843)、ソフトバンクグループ(9984)、住友金属鉱山(5713)が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)