【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,593.65  △123.24 (2/11)
NASDAQ: 19,643.86  ▼70.41 (2/11)

1.概況

昨日の米国市場は、高安まちまちとなりました。トランプ大統領が鉄鋼・アルミ製品の輸入品に対して25%の関税を課す大統領令に署名したことにより、貿易摩擦の深刻化が懸念され、ダウ平均は69ドル安で取引を開始しました。その後、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が米連邦議会上院での議会証言で利下げを急ぐ必要がないと改めて表明すると、金利高を背景にハイテク株を中心に売りが広がり、ダウは一時150ドル安まで下げ幅を広げました。

一方、個別銘柄ではコカコーラ[KO]が好決算を発表し急伸するなど、一部の主力株に買いが入って指数を支えると、その後は堅調に推移しました。最終的にダウ平均は123ドル高の44,593ドルで取引を終え、続伸となりました。また、S&P500株価指数は2ポイント高の6,068ポイントで取引を終え、小幅に続伸しました。

一方、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は70ポイント安の19,643ポイントで取引を終え、反落となりました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち生活必需品やエネルギー、不動産などの8業種が1%未満の上昇となりました。一方で、一般消費財・サービスやヘルスケア、コミュニケーション・サービスの3業種が下落となり、特に一般消費財・サービスは1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、30銘柄のうち17銘柄が上昇しました。特にコカコーラが決算を受け、5%近く上昇したほか、アップル[AAPL]とアイビーエム[IBM]が2%以上上昇しました。一方で、セールスフォース[CRM]やハネウェル・インターナショナル[HON]、シスコシステムズ[CSCO]などの13銘柄が1%未満の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、化学大手のデュポン・ド・ヌムール[DD]が第4四半期決算で売上高とEPS(1株当たり純利益)ともに市場予想を上回り、6.8%上昇してS&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。また、インテル[INTC]は、米国のバンス副大統領が「トランプ政権は最も高度なAIハードウェアが米国で製造されるよう確実にする」と発言したことに反応し、6.1%上昇しました。一方、エネルギー貯蔵サービスのフルエンス・エナジー・インク[FLNC]は、第1四半期決算で売上高とEPSが市場予想を下回ったほか、ガイダンスで売上高の見通しを下方修正したことを受け、46.4%の急落となりました。そのほか、テスラ[TSLA]は6%以上下落し、下げが目立っています。

5.為替・金利等

米長期金利は前日から0.04%高い4.53%となりました。ドル円は、円安方向に進展し152円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなるなか、ドル円が円安方向へ進展したことなどを支えに上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか、日経平均は3万9000円台を回復してその水準を維持して終えられるかが注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)