東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場において、主要3指数が揃って上昇したことを受けて日経平均は180円高の38,979円で寄り付きました。早々に節目の39,000円台まで上げると、9時15分には320円高の39,118円をつけ本日の高値を更新しました。

その後はドル円相場が円高方向に推移したことも重荷となり、上げ幅を縮小しました。11時ごろから下げに転じ、前場は71円安の38,727円で取引を終えました。

後場も安値圏で一進一退に推移するも、13時半頃に発表となったトヨタ自動車(7203)の決算を波乱なく通過したことが、投資家心理の改善につながりその後持ち直すと、最終的には33円高の38,831円と小幅に続伸し大引けとなりました。新興市場では、東証グロース250指数が続伸、1.1%高となりました。

2.個別銘柄等

トヨタ自動車(7203)は3.1%高の2,963円をつけ続伸で取引を終えました。場中に第3四半期決算を発表し、通期の当期純利益が従来予想から9,500億円上方修正となる4兆5,200億円になるとの見通しを発表し、市場予想も上回る内容となったことから買いが集まりました。ひと頃よりも生産が挽回したほか、好採算のハイブリッド車の販売増が業績に寄与しました。

本田技研工業(7267)との経営統合に向けた基本合意を撤回したとの報道をうけて、日産自動車(7201)は4.9%安の386.9円をつけ反落となりました。一方で、財務負担懸念が後退した本田技研工業は、8.2%高の1,500円をつけ続伸となりました。

日本郵船(9101)は4.1%高の5,066円をつけ続伸で取引を終えました。5日正午頃に発表した第3四半期決算で、通期の当期純利益を従来予想から600億円上方修正し4,500億円となる見通しを示し、期末配当を従来の130円から50円増額となる180円としたことが好感されました。

パナソニック ホールディングス(6752)は一時14.8%高の1,755.5円をつけ昨年来高値を更新しました。4日にグループ経営改革の要旨を発表し、2028年度までに3,000億円以上の収益改善効果を図り、ROEは10%以上、調整後営業利益率は10%以上といった改革案を発表したことで買いが入りました。

バンダイナムコホールディングス(7832)は一時15.8%高の4,468円をつけ分割考慮後ベースで上場来高値を更新しました。5日前引け後に発表した第3四半期決算で、通期の当期純利益の見通しを従来から180億円上方修正し1,280億円としたことや、年間配当も従来から49円増額となる71円としたことに加え、上限350億円の自社株買いを発表したことを受けて、買いが集まりました。

三越伊勢丹ホールディングス(3099)は4.8%安の2,542円をつけ、反落となりました。4日に第3四半期決算を発表し、営業利益は前年同期比46.4%増の599億円と同期間として最高益となるも、通期での見通しが据え置かれたことで第4四半期の伸びが鈍化するとの懸念から売りが出ました。

横河電機(6841)は7.1%安の2,942円をつけ3日続落となりました。4日に第3四半期決算を発表し、通期の当期純利益は従来予想から20億円の上方修正となる510億円(前期比17.3%減)と減益幅を縮める見込みを発表するも、円安効果による上方修正だけに買い向かう動きは限定的となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

トヨタ自動車の決算が堅調なもので、市場にも安心感が広がった印象です。本日大引け後も決算発表が控えており、日本ではダイキン工業(6367)、KDDI(9433)、フジ・メディア・ホールディングス(4676)など、米国ではフォード・モーター[F]ウォルト・ディズニー[DIS]、クアルコム[QCOM]などの発表が予定されています。

注目は週末の米雇用統計の先行指標とされる2025年1月の米ADP雇用統計で、民間部門雇用者数の市場予想は前月比15万3,000人増とされています。前月から伸びの加速が見込まれている中で、労働需給の状況に注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)