東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、3日続落となりました。前日の米国株式市場が休場のため、材料難となる中で、日経平均は54円安の39,550円で取引を開始しました。寄り付きから下げ幅を拡大し、10時3分には439円安の39,166円まで下落し、本日の安値を更新しました。その後安値からは持ち直し、前場は193円安の39,411円で取引を終えました。
後場は、今晩に予定されている米雇用統計を前に手控えムードが広がり、安値圏でもみ合いの展開となりました。39,200円台で推移する時間が長く、最終的には414円安の39,190円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が反発、0.2%高となりました。
2.個別銘柄等
ファーストリテイリング(9983)が1銘柄で日経平均を301円押し下げる6.5%安の48,700円と、大幅反落で取引を終えました。9日に第1四半期決算を発表し、営業利益は前年同期比7.4%増の1,575億円と堅調な決算内容を発表するも、中国事業の不振が嫌気され売りが優勢となりました。
セブン&アイ・ホールディングス(3382)が4.9%高の2,490円で3日ぶりに反発となりました。9日に発表した第3四半期決算が海外事業の悪化から減益となり、前場は軟調に推移するも、後場には創業家のMBO計画に関して、プライベートエクイティのアポロ・グローバル・マネジメントが出資を検討と伝わったことで買いが集まりました。
三井金属鉱業(5706)が6.8%安となる4,524円で取引を終え、4日ぶり大幅反落となりました。9日に実施した説明会にて、主力の銅箔のスマートフォン向けの2028年以降の見通しを下方修正したことが売り材料となりました。
久光製薬(4530)は一時15.9%高の4,685円まで上昇し、昨年来高値を更新する場面が見られました。9日の第3四半期決算発表の中で、通期の営業利益を従来よりも24.1%増額となる180億円を見込んでいるとしたことで、上方修正を好感した買いが入りました。
イオンモール(8905)が4.9%安の1,930円で、大幅反落となりました。9日に発表した第3四半期決算にて、当期純利益が前年同期比16.5%減の122億円と減益となったことを嫌気した売りに押されました。一部施設の閉鎖等による特別損失の計上が利益を圧迫しました。
そのほかの銘柄では、投資判断と目標株価が引き下げられたネクステージ(3186)が2.0%安で反落、感染症用抗原検査キットを販売するタウンズ(197A)は、インフルエンザ患者数が過去最多となる中、検査キット需要の増加を見込んだ買いが膨らみ、一時14.5%高で上場来高値を更新しました。
VIEW POINT: 明日への視点
前日9日は小売業を中心に決算が発表され、主に中国事業の不振による利益の下押しといったコメントが散見されました。来週に向けて、中国関連で注目度の高い安川電機(6506)の第3四半期決算発表が本日の大引け後に予定されており、産業用ロボット等を展開する同社の決算内容に注目が集まります。
またそのほかにも、良品計画(7453)、イオン(8267)が決算発表予定です。また、米雇用統計の発表もあり、2024年12月の非農業部門雇用者数は市場予想で16.4万人増とされています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)