【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 43,717.48  ▼110.58 (12/16)
NASDAQ: 20,173.89  △247.17 (12/16)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は2ドル安で小安く寄り付いた後、一時123ドル高まで上昇しましたが、その後は勢いを失い、前日の終値付近で軟調に推移しました。ディフェンシブ銘柄の一角に売りが出たほか、エネルギー銘柄の下落が相場の重荷となり、引けにかけては売りが優勢となったことで、結局ダウ平均は110ドル安の43,717ドルで取引を終え、8日続落しました。

一方、先週末に好決算を発表し時価総額が1兆ドルを突破したブロードコム[AVGO]が続伸したことなどを受けてハイテク株には買いが集まり、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は247ポイント高の20,173ポイントで取引を終え、史上最高値を更新しました。また、S&P500指数も22ポイント高の6,074ポイントとなり3日ぶりに反発しました。

2.経済指標等

12月のニューヨーク連銀製造業景気指数は、前月から31ポイント低下の0.2となり、市場予想を下回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち4業種が上げ、特に一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービス、情報技術は1%超上昇しました。一方、7業種が下落し、特にエネルギーは2%以上下落となったほか、ヘルスケアは1%超下落、素材は1%近く下落となりました。

4.個別銘柄動向

米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中13銘柄が上昇となり、なかでも、ハネウェル・インターナショナル[HON]が3%超上昇しました。また、ボーイング[BA]とアマゾン・ドットコム[AMZN]が2%超上昇し、アップル[AAPL]が1%超上昇、マイクロソフト[MSFT]とセールスフォース[CRM]が1%近く上昇しました。一方で、17銘柄が下落となり、なかでもユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が4%超下落しました。また、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が3%超下落し、シェブロン[CVX]も3%近く下落、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]も2%近く下落しました。エヌビディア[NVDA]やアムジェン[AMGN]、ホームデポ[HD]、メルク[MRK]も1%超下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、好決算を好感した買いが続き半導体のブロードコムが11.2%上昇し、続伸となりました。また、テスラ[TSLA]は6.1%上昇し、史上最高値を更新しました。そのほか、マイクロン・テクノロジー[MU]とクラウドストライク・ホールディングス[CRWD]が5%超上昇したほか、アルファベット[GOOGL]は3%超上昇、インテル[INTC]は2%超上昇しています。一方で、上場廃止の懸念が続くスーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]は増資の可能性が伝わり、株価は8.3%下落してS&P500構成銘柄で下落率トップとなりました。また、フォード・モーター[F]は、アナリストによる投資判断の引き下げと目標株価の引き下げを受けて、3.8%下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は前週末比0.01%高い4.40%となりました。ドル円は、円安方向に展開し154円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国のハイテク株高や円安を受けて上昇してのスタートが予想される一方、FOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合を目前に控えることで神経質な展開となりそうです。そうしたなか、16日にソフトバンクグループ(9984)の孫正義会長兼社長はトランプ次期米大統領と会談し、今後4年間で米国に1000億ドルを投資することを発表しました。人口知能(AI)や新興テクノロジーなど関連銘柄への物色の高まりが期待されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)